しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「記録された殺人」 岡嶋二人  

2006年05月29日 | 読書
短編集
「記録された殺人」
中央公園の微速度撮影を担当した調査会社を一人の男が訪れ、フィルムを奪おうと社員、植松と格闘して死んだ。
その男、芝山は文通相手の瀬川邦子に会いに上京して来ていた。
その邦子は少し離れた団地に停めてあった車のトランクから他殺体で発見される。
邦子は中央公園で柴山と会っていた。
中央公園を撮影したフィルムに何が映っているのだろう。

「バッド・チューニング」
バンドのマネージャー、小暮は何者かに拳銃を突きつけられ「早く出せ」と脅される。
なんの覚えなかったが、今度は自分の乗った車が事故に巻き込まれそうになり、狙われている事を確信する。
しかし、理由がわからない。

「遅れて来た年賀状」
その年は年賀状が5日に届いた。
そして、出社するとみんなの目が冷たい。
まるで覚えのない事で、上司から謹慎を言い渡される。

「迷い道」
別れたい男・宇佐見と、絶対別れたくない女・富由子。
山道のドライブで対向車とぶつかり、相手の車の乗っていた女性が死ぬ。
事故を公にしない約束で、死んだ女性をどこかに捨てることを引き受け、実行してしまう。
しかし後でよく考えるとあの女性は死後硬直が始まっていた。
宇佐見はその時の男を探し出し、ある事を頼む。

「密室の抜け穴」
酒井と横山が夜に警備しているビルで、ただ一人残業していた、麻生が首を絞められて殺される。
ビルは密室状態かと思われたが、唯一は隣のビルの屋上から移れる事が分かった。
しかし、いつもは抜け穴のある隣のビルが、その時は密室になっていた。
オートロックの扉があり、外には出られる密室なのだが、なぜその日だけ。

「アウト・フォーカス」
ある撮影会社のカメラが殺人現場のそばで見つかった。
しかし、殺人の起こった場所に撮影関係者もカメラも行っていない筈だった。
そして、カメラの使用管理をしていた男、蓮田が殺される。



今回も、色々なテーマで面白かった。
やはり表題作がその中でも面白い。
小説の犯罪は、自分の周りでこんな事は起こらないだろうと思っているから、楽しんでいる所がある。
しかし、「遅れて来た年賀状」は実際に有りうるかも、と思わせられた。
結構、簡単にこういう犯罪は出来てしまいそうで、気が付かないかも知れない。怖いな。
こんな事、思いつくなんて・・・・誰も真似しません様に。
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