しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「相克の森」  熊谷達也 

2017年11月23日 | 読書
「相克の森」  熊谷達也   集英社文庫   

「山は半分殺してちょうどいい―」
現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。
山を殺すとは何を意味するのか?
人間はなぜ他の生き物を殺すのか?
果たして自然との真の共生とは可能なのか―。
   <文庫本裏カバーより>







現代のマタギの事を紹介。
法律に縛られる所もあって、決して昔のままと同じ狩りが出来ない事。
なぜ、熊を狩るのか。
都会人の森に対するマナーの悪さや野生動物保護の立場からの観点。
そんなテーマの中に、都会人の主人公、美佐子の心情も。
実際に春の巻き狩り(熊狩り)に参加して思う事。
美佐子は始め「今の時代、どうしてクマを食べる必要性があるのか」と疑問を持っていた。
それが、マタギと親しくなりその狩りに参加して考えが変わって行く。
マタギの考え方になって行く。
狩られる熊を可哀想とは思わない、と。

自分は一緒には参加していないから、それまでの様子は読んできているのだが、やはり可哀想と思ってしまった。
逃げ切れば良いと。
マタギに後継者がいなければ、そのまま消えてしまってもいいのではないかとも。
それでも、自分は肉を食べているのだが。
もし、食べる前に生きている姿を見たら、食べられない。
やはり、生き物の命を絶つ事は重い。
自分勝手と思われるのだろうな。
人造の肉で良いのなら、味が落ちてもその方が良いと思う。
そういう研究も進んでいると聞く。

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