しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「解錠師」   スティーヴ・ハミルトン

2012年05月06日 | 読書
「解錠師」   スティーヴ・ハミルトン     HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No.1854
 THE LOCK ARTIST                   越前敏弥・訳

1990年夏、アメリカ、ミシガン州。
ある事件があり、マイクル(マイク)は“奇跡の少年”と呼ばれた。
1991年、マイクルは伯父リートの養子となり、ミルフォードにいた。
声を失ったマイクには2つの才能があった。
絵を描くことと鍵を開けること。
その才能が運命の女性と出会わせる。
そして、その出会いがプロの金庫破りになる道に向かわせる。






静かな世界が広がる。
マイクの沈黙と、金庫を開ける時の静寂。
マイクが解錠に取り組んでいるところは、一緒に息を潜めてしまう。
静寂を感じながら、引き込まれる。
その静かな雰囲気が全体を流れる。
犯罪に係る、ハードボイルドな面もあるのだが。
物語はサスペンスよりは、ラブストーリーの方を強く感じる。
マイクとアメリアの惹き合う気持ちを強く感じるから。
物語ではよく見られる、 “身分違いの恋“の物語のよう。
事業で成功してというのとは違うが。
最後は成功というのではなく、決着を付けてのこと。

解錠師をとても神秘的に扱って、不思議な世界に連れて行く。
出会う闇世界の男たちが、無駄口を叩かないことを称賛する。
マイクは声が出ないから黙っているのだが、沈黙の美徳を感じることが出来る。



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