しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ヒルダよ眠れ」  アンドリュー・カーヴ 

2016年02月09日 | 読書
「ヒルダよ眠れ」  アンドリュー・カーヴ   ハヤカワ・ミステリ文庫  
 NO TEARS FOR HILDA         福島正美・訳

ジョージ・ランバートは帰宅して、ガス・オーヴンで死んでいる妻ヒルダを発見する。
自殺と思われたが、ガスの栓にはジョージの指紋しか付いていなかった。
ロンドン警視庁のヘインズ警部は殺人として調査を始める。
ジョージのアリバイは曖昧で、その時女性と会っていた事が分かる。
ジョージはヒルダ殺害の罪で逮捕される。
そんな時、戦友のマックス・イースターブルックがドイツから帰ってくる。
マックスは、ジョージは人を殺せる人間ではないと信じる。
ヒルダが殺された理由を探ろうと、ヒルダについて調べ始める。
ジョージが語っていたヒルダとは違う姿を、マックスは知って行く。









親友を信じて本当の犯人を捜す。
警察ではないから出来ることには限界があるが、警察には出来ないことが出来たりする。
そんなマックスの奮闘で少しずつ分かるヒルダの姿。
しかし、ヒルダはジョージに本当の姿を隠していた訳ではない。
ジョージが見ようとしなかっただけ。
ヒルダの実の弟さえ嫌う性格は、ヒルダが接したすべての人間が知っていたこと。
人間関係は難しい。
ヒルダの性格は、他人を苛立たせ困らせた。
それでも、その性格を作り上げていったのは周りにいた人間でもある。
このような人間は確かにいると思う。
ただ、自分がしっかりして振り回されないようにすればいいのだ。
1番いい方法は、自分から遠ざけてしまうことなのだと思うが。
性格だけで、殺されてしまうとは。
自覚していない本人にとっては理不尽だろう。
やはり、究極の解決方法より、他の方法を考えたい。

この物語は、犯人が分かり、逮捕して終わりではない。
その後も続く、マックスとステファニーの気持ちの物語が面白い。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「アノニマス・コール」  ... | トップ | 「悲嘆の門」  宮部みゆき  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事