しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「オペラ座の怪人」   ガストン・ルルー 

2012年08月31日 | 読書
「オペラ座の怪人」   ガストン・ルルー         創元推理文庫
 LE FANTOME DE L’OPERA    三輪秀彦・訳  

王立音楽アカデミー、通称オペラ座には幽霊がいる。
それは、オペラ座の幽霊として、誰もが信じていることだった。
支配人のドビエンヌ氏とポリニイ氏が退任する時、新しい支配人、モンシャルマン氏とリシャール氏にある引き継ぎをする。
それは、“オペラ座の幽霊”に対する職務規定書。
月2万フラン支払うこと、5番の2階ボックス席を自由にさせること、など。
しかし、新任の支配人は幽霊の存在を信じず、実行しなかった。
幽霊は思い知らせる為に、シャンデリアを落とす。
歌手のクリスチーヌに恋心を抱く、ラウル・ド・シャニイ子爵。
ラウルはクリスチーヌが別の男に支配されていることに、悩む。






映画や歌劇で有名な「オペラ座の怪人」の原作。
ガストン・ルルーが書いたとは思わなかった。
確かに、ミステリーではあるかも。

オペラ座にいる幽霊。
怪奇現象を起こし、殺人も。
しばらくは幽霊対新支配人のやり取りが続く。
クリスチィーヌとのこともあるが、この新支配人との関係が結構最後まで関係していた。
幽霊としての存在が何かは、割と唐突にクリスチーヌから語られる。
幽霊話が面白かったのに、そんなにあっさりという気もする。
更に、ペルシャ人の登場によって、生身のエリックとしての存在が強くなる。
ペルシャ人とエリックの関係ははっきりとは書かれてないが。
最後に、エリックの生い立ちも、慌ただしく語られるが、かえって謎をたくさん残して終わってしまった感じ。
クリスチーヌの方は、子供時代の話から入るので、生い立ちはわかる。

登場人物の人間ドラマはあまり触れられず、オペラ座に地下の様子や、事の経過の方がメインになっている印象。
起こった不思議な出来事の真相が明らかにされる物語。

映画のように、感情的に盛り上がることは、あまりないが、映画が頭にあるので、勝手に補って読んでいるところもある。
映画では、シャンデリアを落とした理由が、何故そこまでとはっきりしなかったのだが、こちらの方が筋道があってわかる。

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