しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「そして医師も死す」  D・M・ディヴァイン 

2015年04月08日 | 読書
「そして医師も死す」  D・M・ディヴァイン     創元推理文庫    
 Doctors also Die       山田蘭・訳

診療所の共同経営者・ヘンダーソンが不慮の死を遂げて二ヵ月が経った。
医師のアラン・ターナーはその死が過失によるものではなく、何者かが仕組んだ事故に見せかけた可能性を市長のハケットから指摘される。
もし他殺であるならば、かなり緻密に練られた犯行と思われた。
ヘンダーソンに恨みや嫌悪を抱く者は少なくなかったが、機会と動機を兼ね備えた者は自ずと限られてくる・・・・・・
未亡人ともども最有力の容疑者と目されたアランは、ヘンダーソンの死の状況を明らかにしようと独自の調査を始める。
         <文庫本1頁目より>






犯人捜しよりも、登場人物がどんな人物なのかが気になる物語。
と言いつつ、アランが頭を悩ませつつ考えて行く様が丁寧に書かれているので、一緒に考えてはしまう。
見かけや人の評判と違う面が色々出て来る。
その人を評価する時には、自分の思惑も絡まるもの。
そんな、人を見る目の面白さも伝えてくれる。
1番犯人らしくない人が犯人だったりするが。
そのあたりにも、今回は捻りがある。
それに、主人公のアラン・ターナーはかなり頼りない。
仕事にしても自分の気持ちに対しても。
それが余計に事件を引っ掻き回して、読み手には面白くしているのだが。
そんなアランが犯人が分かる手掛かりは、ほんの小さなこと。
それをしっかりと覚えていたと言うのが、かえって不思議に感じる。

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