しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「名残り火 てのひらの闇Ⅱ」 藤原伊織 

2008年03月30日 | 読書
「てのひらの闇」から3年。
堀江雅之はタイケイ飲料を退職後、ひとりで細々と食品関連企業のコンサルティングや各種調査などを行っていた。
親友の柿島隆志はタイケイを吸収合併した尾島飲料から大手のメイマートグループに移り、そこを退職していた。
その柿島が暴漢に襲われて死亡する。
その死に不審なものを感じた堀江は独自に調査をする。
浮かび上がってきたのは、柿島がメイマートを退職した理由とその後の関係だった。



「てのひらの闇Ⅱ」となっているが、ストーリーは独立しているので、「てのひらの闇」の内容を忘れていても、こちらだけを読んでも支障はない。
主人公の堀江雅之と彼を取り巻く脇役は同じなので、そこら辺のやり取りは知っていた方が楽しめるかも知れないが。
親友に何があったのか、探偵の様に動く主人公だが、かなり暴力的なので、ちょっと怖いのだが。
サラリーマンから離れたらから、抑えられていた性格が復活しているのか。
あまり好感が持てないキャラクターになってきている。
しかし、同じく殺人事件と見て捜査する刑事や、サンショーフーズの社長など、個性的な人物が新たに登場、その人たちは中々いい。
そして物語も、たくさんの謎が少しずつ解決していくというのが面白かった。
しかし、事件の真相が、そんなことだったのかと虚しさを感じる。
経営が大変という、最近は知られて来ているコンビニ事情がよく分かる。

シリーズ化も出来そうな人物たちだが、もうそれはないと分かっているのが残念で寂しい。
   
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