しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「追憶の夜想曲(ノクターン)」  中山七里

2018年06月09日 | 読書
「追憶の夜想曲(ノクターン)」  中山七里   講談社   

御子柴礼司弁護士は、怪我から復帰してすぐに、ある事件を担当出来る様に動き出す。
それは夫津田伸吾を殺害したとして東京地裁で懲役16年の判決を受けた津田亜季子の裁判。
本人が殺害を認めており、量刑だけに注目が集まっていた。
弁護士の宝来兼人は量刑不当として即日控訴していた。
その弁護を宝来から譲り受ける。
周囲は、高額な裁判しか引き受けないと思われている御子柴が興味を示したことに不思議がる。
検察側はその事を知り、かつて御子柴に負けて心に汚点を残した岬検事が担当すると名乗り出る。







「贖罪の奏鳴曲」の続編。
これはまだ読んでいないのだが、テレビドラマで見た。
登場人物は多少その印象に左右される。
御子柴弁護士の過去の事件も、触れられている。
やはりかつて人を殺した人物と言う事で、薄気味悪さを感じてしまう。
人はどこまで変われるのか。
ただその人が変わったとしても、被害を受けた人たち、まして身内を失った人たちにしたら、そんな事は関係ないだろう。
そう考えると、表に立つと言う事はどうなのか、考えてしまう。
今回の事件は、母親が誰かを庇っている事は、始めの頃から分かる。
そして誰を庇っているのかも。
その点で驚きはなかったのだが。
作者にしたら、父親か祖父かが驚きのポイントだったのかも知れない。
この物語が面白かったのかどうかは、良く分からない。
物語はスムーズに読め、分かっていても先が気になる展開ではあるのだが。
読み終わった後は、なんだかすっきりとしない気持ちが残る。


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