しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ファントム・ピークス」   北林一光 

2012年03月10日 | 読書
「ファントム・ピークス」   北林一光      角川書店

長野県南安曇郡堀金村。
9月30日、烏川に支流の二の沢付近で、山菜取りに来ていた主婦三井杳子が行方不明になる。
それから半年後の4月26日、杳子の頭蓋骨だけが1キロほど離れた本沢で見つかる。
三井周平は、妻の不可解な死の理由を知らなければと思っていた。
そんな時、釣りに来ていた若者のグループの一人が突然行方不明になる。
同じ頃、遊びに来ていた主婦と子どもも行方不明になり、子どもだけが放心状態で発見される。
山で何かが起こっている。
得体の知れない不安を感じながら、周平は杳子と同じ原因ではないかと考える。





どのジャンルの物語か知らないで読む。
得体の知れない生物が現れ、雰囲気はスティーヴン・キングの世界。
分からないことに対する不安や恐怖がとてもよく伝わって来る。
しかし、これはしっかり実在する生物だった。
何だ、動物パニック物だったのかと、少々肩すかしの感だったのだが。
しかし、正体が分かってからは、その強力な存在感に圧倒される。
かなりリアルな描写で恐怖感は衰えず、先が気になる展開。
その動物の性質などは、今までそれほど強烈とは思っていなかった。
恐ろしさが、充分に伝わってくる。
そんな生態も興味深い。
そして、本来居るはずがない長野県の山に何故居るのかという謎解きも、面白さのひとつ。
ただ、こちらの話題は結構あっさりした感じ。
2本立てになると、勢いが分散しそうだからかも知れない。

ただ、対策の仕方が少々お粗末のような気がする。
早く専門家の意見を聞くなり、呼べばいいのにと思った。
その動物と向かい合って来た地方があるのだから。
手負いにする心配があるなら、まずは麻酔銃ではないのだろうか、とか。


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