しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「罪の声」  塩田武士

2020年07月03日 | 読書
「罪の声」  塩田武士   講談社文庫   

京都でテーラーを営む曽根俊也。
自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。
それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。
一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、未解決の事件を追い始め―。
    <文庫本裏カバーより>







どこかで書評を読んでいたはずだが、その内容はすっかり忘れて読み始める。
少しして、物語の『ギン萬事件』は、実際の『グリコ・森永事件』だと気が付く。
ただ、『グリコ・森永事件』のことも「キツネ目の男」が浮かぶ位。
途中で、『グリコ・森永事件』を振り返ってみようかと思ったが、結局読み終わってからに。
事件の詳細は、事件を丁寧に追っていたことが分かる。
警察の捜査も、なかなかうまく行かなかったのだと。
物語の方は、主人公の1人、曽根俊也が犯人側の人物かも知れないと言う事で。
目線が2方向から事件を見るような形になっている。
子どもの声が使われていたと言うのは、改めて思い出したが、その子どもの事を考えた事はなかった。
犯人にも身近な人や家族がいる。
そしてこの物語にはなかったが、『グリコ・森永事件』で不審者を取り逃がした滋賀県警本部長が自身の退職の日に焼身自殺をしていると言う事実も。
事件の真相は分からないのだが、こんな風だったかも知れないと思わせてくれた。
不幸になる人達が必ず出るのが犯罪。
改めて一つの事件を見直すきっかけになった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「訣別」  マイクル・コナ... | トップ | 「クララ殺し」  小林泰三  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事