しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ゼロ以下の死」  C.J.ボックス 

2018年10月13日 | 読書
「ゼロ以下の死」  C.J.ボックス   講談社文庫   
BELOW ZERO        野口百合子・訳

シカゴのギャング、デイヴ・ステンソン(ステンコ)は息子のロバートと少女(エイプリルと名乗る)と車で移動していた。
ステンコは末期の癌で、子どもの頃に置き去りにしたロバートにその埋め合わせをしようとしていた。
ロバートは環境問題に傾倒していて、地球の為にCO2を削減する目的を持つ。
父親のこれまでの負債を計算して、それをゼロにする為にCO2を大量に排出する人間を殺すように命令する。
それは、豪華なキャンピングカーを所有して旅する夫婦や、結婚式前日の富豪カップルなど。
少女は2人の目を盗んで携帯電話を手に入れ、ジョー・ピケットの17歳の娘シェリダンにショートメッセージを送る。
シェリダンは、その少女が「エイプリル」と名乗ったことに驚く。
エイプリルは6年前に死んだと思われていた。
そして、エイプリルが伝える内容には、犯罪に関わっている事が疑われた。

「ジョー・ピケット」とシリーズ。









これはエイプリルのその後の物語。
その為に命を狙われたジョーだったが、意外な展開が待っていた。
本当にエイプリルなのか、と言う事もあるがその少女の道行きも興味深い。
一緒に旅する父と息子の物語も。
それぞれの気持ちが丁寧に書かれ、痛さが伝わる。
生きて行くのは大変だ。
それは子どもも同じだなんて、切ない。

地球温暖化の問題は、突き詰めればこんなことになるのか。
そんなも事を思った。
誰もが、少しずつ考えて行けば違うのだろうか。
そんな小さなことではないと言う人もいるが。
しかし、気象に影響が出ているのは事実だ。
前はあんなに激しい気候は少なかったのだから。

いつも色々な思惑が絡み合って、展開していくこのシリーズ。
何を1番大切にするか、それは人によって違う。
それが、他の人の事も考えてもことだと良いのだけれど。

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