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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「復讐のトレイル」 C.J.ボックス 

2018年10月10日 | 読書
「復讐のトレイル」 C.J.ボックス   講談社文庫    
 BLOOD TRAIL    野口百合子・訳

その遺体には頭部がなく、狩られた獲物たちと同じような「処理」が施されていた。
まるで狩猟が生き物を面白半分に殺す行為だと世界に訴えるように。
ワイオミング州知事からの特命を受けた猟区管理官ジョー・ピケットは、ハンター連続殺人の背後に卑劣な人間たちの深い闇が潜んでいることをつきとめていく。
 <文庫本裏カバーより>

「ジョー・ピケット」シリーズ第7弾。








前作が法律では裁けない殺人あったが、今回は法律で裁きたくない殺人。
ただ、その巻き添えを食って命を落とした人物もいる事を思うと、許される事ばかりではないのだが。
ハンターを狙った殺人が、動物保護の立場からの犯行とも見られる。
狩猟の是非を問う事も、今回の物語には書かれている。
日本でもマタギの事で問題提起があると思うが。
「何故狩りをするのか」も書かれているが。
自分は人間の都合だけで、他の動物を殺す事は好きではない。
でも、肉は食べている。
今の社会の中で、一概に良い悪いは言えない難しい事。

今回の殺人の背後ある卑劣なこと、とは。
それは自分たちがどれほど酷い事をしたのか、許されない事なのかを当人が分かっていないこと。
今の社会でもあることだが、どうして被害者と加害者の間にこれほどに感情や認識の違いが生まれてしまうのか。
根底に差別の気持ちがあるからだろうか。
自分が優位に立っていれば、自分より下の人間は文句を言うべきではない、と言うような。
この様なことが原因で始まる物語はたくさんある。
もっと他の人の気持ちを想像出来るようになるといいのに。


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