goo blog サービス終了のお知らせ 

しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ラスト・チャイルド」   ジョン・ハート 

2012年04月03日 | 読書
「ラスト・チャイルド」   ジョン・ハート       ハヤカワ・ミステリ文庫 上・下巻
 The Last Child             東野さやか・訳

少年ジョニーの人生はある事件を境に一変した。
優しい両親と瓜二つのふたごの妹アリッサと平穏に暮らす幸福の日々が、妹の誘拐によって突如失われたのだ。
事件後まもなく父が謎の失踪を遂げ、母は薬物に溺れるように・・・・・・。
少年の家族は完全に崩壊した。
だが彼はくじけない。家族の再生をただひたすら信じ、親友と共に妹の行方を探し続ける。
     <文庫本上巻裏カバーより>

「あの子を見つけた」大怪我を負った男はジョニーに告げた。
「やつが戻ってくる。逃げろ」少年は全速力で駆けた。
男の正体は分からない。だがきっと妹を発見したのだ。
アリッサは生きているのだ。ジョニーはそう確信する。
一方、刑事ハントは事件への関与が疑われる巨体の脱獄囚を追っていた。
この巨人の周辺からは、数々の死体が・・・・・・。
    <文庫本下巻裏カバーより>





家族を失うことの辛さ、哀しさ。
それが行方不明という形では、余計に気持ちの切りかえが出来ずにいる。
いや、戻って来ると信じているジョニーには切りかえる必要もないのか。
強い心で、折れてしまった母親を抱えながら、アリッサを探すジョニーの姿が印象に残る。
誘拐事件の謎解きもあるのだが、それよりもジョニーの成長、そして冒険の物語。
ひとりでも行動出来るが、友人のジャックを頼りにするところもある。
大人のようだが、子どもの面も残すジョニーが生き生きとしている。
グリーンマイルのコーフィーを思い出す、リーヴァイ・フリーマントルの登場がその雰囲気を強くする。
2人に絡む先祖の物語も興味深い。
人生は輪のようなもの、か。
しかし、誘拐事件の真相は思わぬものだった。
人間は、そんなに愚かになってしまうのか。
事件が納まる場面は、心と心がぶつかり合う読み応えたっぷりの、シーン。
ジョニーも自分なりに、決着を付けることが出来、穏やかな気持ちになれるラスト。

コーフィーもリーヴァイも、大柄な黒人なのは偶然かな。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。