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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「銀のキス」 アーネット・カーティス・クラウス  

2006年09月23日 | 読書
16歳のゾーイの母親は重い病気で入院中。父親はその看病でゾーイの事は意識の外にあるようだ。
そして、親友のロレインが引越してしまうという。
ゾーイはひとりでやり切れない思いを抱え、夜の公園に来た。
そこは神秘的な暗闇の中に、数少ない明かりがほんのりと黄金色に光る、ゾーイの好きな公園だった。
そして、ゾーイは黒い瞳に色白で銀色の髪を持つ美しい少年、サイモンと出会う。
互いの孤独を見抜き、惹かれあう2人。
サイモンは吸血鬼だった。そして、もうひとりの吸血鬼、クリストファーを捜してこの町にやって来ていた。
それは、サイモンの母親を殺した敵だった。


永遠の生を持つ吸血鬼と、母親の死に怯えているゾーイ。
ゾーイは大人からのけ者にされているという阻害感で落ち込んでいた。母親の話を避けている親友にもイラついていた。
死について語るのは難しい。
それに面している人に、どんな話をしたらいいのだろうと考えてしまう。
そんな中でのサイモンとの出会い。
吸血鬼物語ではあるが、幻想的な雰囲気で生きる意味や自分の存在について考えさせられる。
あんなに悩んで落ち込んでいたゾーイが、その後、強く生きていくのが目に浮かぶ結末だった。
ちょっと、サイモンとゾーイのロマンスの部分が強く、甘ったる過ぎる感じがあるが。
登場人物としてはクリストファーに興味がある。
6歳で吸血鬼になってしまったその時の話が知りたい。
そして心はどう成長していったのか。結構こんなキャラクターが好きだ。

ちなみに「銀のキス」は劇団スタジオライフで12月に上演される。



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