しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「Twelve トゥエルブ Y.O.」 福井晴敏 

2007年09月22日 | 読書
『出版社/著者からの内容紹介
電子テロリスト「12(トゥエルブ)」とは何者か!?
沖縄から米海兵隊が撤退した。それは米国防総省(ペンタゴン)が、たった1人のテロリストに屈服した瞬間だった。テロリストの名は「12」。最強のコンピュータウィルス「アポトーシス2」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米国防総省を脅迫しつづける「12」の正体は?真の目的は?圧倒的スケールの江戸川乱歩賞受賞作。』

自衛隊地方連絡部で募集・広報の仕事に従事する、平貫太郎。
入隊日に逃げ出した青年を捜して上野に来た平は、青年の仲間に殴打される羽目になる。
その窮地を機械のような戦闘能力で救ったのは理沙という少女だった。
理沙のそばにいたのは、かつて平がヘリ・パイロッットの時の上司、東馬修一だった。
その夜、平は防衛庁情報局(ダイス)に、東馬修一と接触した者として身柄を拘束される。
今、東馬・トゥエルブは、コンピューター・ウィルスを用い在日米軍を攻撃し、脅迫する者としてマークされていた。



福井さんのデビュー作は、その後も続くダイスがメイン舞台の物語。
それはここから始まったというべきか。
「亡国のイージス」「ローズダスト」。
登場人物も骨太なおじさんと、暗い目をした細身の青年の組み合わせ。
メッセージも今の日本の在り方を問いかけるもので、同じと言っていい。
そして、裏の裏の裏のある物語。
人間ドラマが結構前に出ている「亡国」や「ローズ」より、策略がメインといった感じ。
しかし、今までもそうだが、人間としてどうあるべきかという問いの答えには、うなづけるけれど、戦後の日本の在り方―では今どうすればいいのか―には答えがでない。
読んで戸惑う部分も多いし、その答えも書かれていない。
スケールの大きな話で、福井さんの「ハリウッド製冒険アクション憧れて」の言葉通り、死なないヒーローが活躍する物語。
しかし、秀でたヒーローはいなく、みんな平均という感じもする。
でも、いくら途中で止められるからと言って、「GUSHO」を用いるのは駄目だろう、危険すぎるよ。
そう、この後の物語に「GUSHO(グソー)」が出てくる。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 柔道世界選手権 2007 ... | トップ | 大相撲秋場所 白鵬優勝 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事