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「コードネーム・ヴェリティ」 エリザベス・ウェイン

2023年01月26日 | 読書
「コードネーム・ヴェリティ」 エリザベス・ウェイン  創元推理文庫   
 Code Name Verity         吉澤康子・訳 

第二次世界大戦中、ナチ占領下のフランスでイギリス特殊作戦執行部員の女性がスパイとしてナチスの捕虜になった。
彼女は親衛隊大尉に、尋問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制され、
インクと紙、そして二週間を与えられる。
その手記には、親友である女性飛行士マディの戦場での日々が、まるで小説のように綴られていた。彼女はなぜ手記を物語風に書いたのか?
さまざまな謎がちりばめられた第一部の手記。
驚愕の真実が判明する第二の手記。
そして慟哭の結末。
最後の最後まで読者を翻弄する圧倒的な物語!
    <文庫本1頁目より>    






第一部はヴェリティ、第二部はキティホークで、それぞれジュリーとマディのコードネーム。
この2人の女性が書いた手記からなる物語。
捕虜になったヴェルティは手記にマディの事を書くが、自分はクイーニーとして登場する。
手記も他に現在起こっている事も書かれ、状況が分かる。
女性監視員、アンナ・エンゲルやアメリカ人のインタビュアー、ジョージア・ペンは両方に登場。
ジュリーが見た立場とは違った立場が分かる。
情報を得る為にする事。
そしてその情報から、マディは最後の決断を選択したのだと思う。
1番の望みを叶える為に。なんとも遣り切れない決断だ。
それがヤングアダルト本だとあとがきで知って驚く。
結構複雑だし、そしてあの結末なのに。 なんか凄い。
本の紹介になる、「なぜ手記を物語風に書いたのか?」と言うのははっきりしない。
リンデンが文学に通じていたからなのか。いつかはマディの手に渡る事を期待していたのか。
だた、一部が謎とは思えず、それはそれでジュリーの今までと捕虜としての世界が書かれている。
戦争の中で、自分のするべき事をしっかりと果たす。
平和だったら、こんな決断をすることもないのに。
こんな状況をつくる戦争を憎む。
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