しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「十角館の殺人」 綾辻行人  

2005年12月30日 | 読書
九州の孤島、角島に建つ青屋敷は、建築家・中村青司が建て妻と住んでた。
6ヶ月前、青屋敷で4重殺人が起こる。
死んだのは、中村青司と妻、使用人の夫婦。そして庭師が行方不明になっていた。
青屋敷はその時の事件で焼け落ちていたが、別館の十角館に大学のミステリ研究会の7名が1週間の予定で訪れる。
7名が角島に渡った後、ミステリ研究会を脱退していた江南孝明の元に
『お前たちが殺した千織は私の娘だった』と書かれた手紙が届く。
差出人は「中村青司」。
その手紙は角島に渡った7人にも届いているようだった。
心当たりは、コンパの時に急性アルコール中毒で死んだ、中村千織。
しかしその現場に江南はいなかったので、何があったかは分からなかった。
江南は手紙の真意を探る為、青司の弟の紅次郎を訪ね、そこで島田潔と出会い、一緒に調査する事になる。
そして、ミステリ研究会で角島行きに同行しなかった守須恭一を訪ねる。
十角館に着いた7人の元には、クリスティの『そして誰もいなくなった』を思わせる、予告殺人のプレートが用意されていた。
そして滞在3日目、予告通り殺人が始まる。自ら犯人を推理をするが、被害者は増えていく。
中村青司が生きていて、娘の復讐をしようとしているのか?孤島密室でストーリーは進む。

ミス研の人物は愛称で呼ばれている。
エラリイ、アガサ、ルルウ、ポウ、カー、ヴァン、オルツィ、ドイルなど。
オルツィは『隅の老人』で有名なエムスカ・オルツィ男爵から。有名なんだ・・・知らなかった・・・。
同じミス研の中に犯人がいるのか、外部の者が入り込んでいるのか。外部説にすがりたい登場人物達。
人物の気持ちも丁寧に書かれているし、トリックも面白かった。
孤島の中と外と言うのが、時計館と似ていたが面白かった。こちらの方がその必然性がある。
ラストは犯人の独白で真相が判って終わるが、こういうちょっとセンチメンタルな終わり方も好きだ。

綾辻さんのデビュー作。
さかのぼって読んでいるので、今までの登場人物の初登場が、なんか新鮮。って当たり前なのだが。
江南さんが大学生で、鹿谷門実がまだ訳のわからない人物・島田潔。
中村青司は人物として登場かと思ったら、もう過去の人だったが、性格の歪んだ人だと分かる。家族も登場して、なんとなく人間として見えた。
江南はコナン・ドイル。守須はモーリス・ルブランかと思ったら違った。
ナールほどそうだったのか、と唸る。
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