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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「魍魎の匣」   京極夏彦

2011年09月25日 | 読書
「魍魎の匣」    京極夏彦       講談社文庫

箱を祀る奇妙な霊能者。
箱詰めにされた少女達の四肢。
そして巨大な箱型の建物――箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。
探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。
果たして憑物(つきもの)は落とせるのか!?
          <文庫本裏カバーより>

百鬼夜行シリーズ第2弾。
京極堂シリーズと書きたいところだが、この呼び方は、京極さん本人が好まないらしい。






四角い箱が、実際にも心情を表す象徴としても登場する。
箱・匣・筥だらけ。
箱・匣・筥と3つあるが、どう違うのだろう。

今回、京極堂が祓う妖怪は、魍魎。
魍魎事態は定義も曖昧で、祓うと言っていいのどうか判らないようだが。
要は、相手は人間という事。
今回は、とてもSFのような内容。
SF小説やアニメでもよく登場する、モチーフ。
自分は、“サイボーグ009”のブラック・ゴーストを連想した。
遺伝子操作と並び、人間にはどこまでそれが許されるのだろうか。
科学との兼ね合いの難しさ。
それにしても、何とも言えない幻想的な物語。
想像すると、かなりおぞましいし、現実社会を生きている登場人物がいるのだが。
怖いのは苦手なのだが、結構、こういう世界は好きだ。
京極堂の語ることが、きちんと理解していないかも知れないが、読んでいる時は、ああなるほどと思っている。
文庫本で1000頁強だが、あまり長さを感じさせない。

世の中にある不思議な現象。
それを信じないと言いつつ、こころのどこかで信じることがある。
また不思議だと信じ込んで、本当のことが見えなくなっていることとか。
京極堂こと中禅寺秋彦は、そのようなものに絶対惑わされない、そして、鋭い観察眼を持っている。
他の人には不思議に思えることを、見抜いてしまう。
中禅寺の決め台詞「この世に不思議なことなどないのだよ」
本当は不思議でもなんでもないのだ。
その事実の証明が面白い。



14歳の美少女、柚木加奈子がホームから落ちる転落事故。
自殺か事故か。
一緒にいた親友の楠木頼子は、ショックから言葉が出ない。
しかし、後日加奈子は突然飛び出して来た男に突き飛ばされたと証言する。
その現場に偶然居合わせた、木場刑事。
転落事故の原因。
なぜ、もっと一緒にいた頼子に聞かないのか不思議だった。


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