中原聖乃の研究ブログ

研究成果や日々の生活の中で考えたことを発信していきます。

東アジア環境史学会での事件

2017-11-12 08:34:37 | 研究報告

今回の学会は、10時と3時におやつタイムがあり、スイカ、ブドウ、各種クッキー、ドリンクが提供され、頭もおなかも充実の学会でした(笑)。

さて、どうしても書きたいことがあります。学会最終日驚くべきことがありました。午後2時からラウンドテーブルがあり、知っている人も登壇するので、行ってみました。ただ、キャンパスがあまりにも広大で迷ってしまい、10分程度遅れてしまいました。するともう始まっているようでした。

ところが、これがラウンドテーブルではなく、南開大学がいかに素晴らしいかに関するプレゼンだったのです。素晴らしいパワーポイントが用意され、英語でよどみない発表が続きます。。。1時間後ようやく終わりました。不思議なのは、たくさんの日本人と欧米人もちらほらいるのですが、だれも文句を言わずに黙って聞いていることでした。

私は、前の方にいるスタッフに、「ラウンドテーブルはどうなったのですか」と聞きに行くと、「そのうちやるから、待っていたらいい」という返事だったので、またもとの席に戻りました。でもほかの方から「待っていたら、15時からのプログラムが始まるんじゃないか」とおっしゃったので、もう一度スタッフのところに聞きに行くと、「あれはそれほど重要じゃないから。。。私たちは今の報告(南開大学の宣伝)が大事だと考えたので、みんなにお話した」というのです。プログラムを勝手に変えたということになります。いろいろやり取りがあったのですが、ちょっと切れてしまった私は、「OK~.ラウンドテーブルの時間と場所を教えてください」と言うと、連れて行ってくれました。そうすると、ちょうど終わったばかりだったようで、数人が疲れ切ったような顔をして出てくるところでした。これがそのラウンドテーブルが終わった後の様子です。

ラウンドテーブルって、檀上にいくつか椅子があり、時にフロアーと意見を交換しながら進められるものじゃないの?これだと首脳会談だよ、と思いつつ、私は、次のプログラムである総会に参加しました。

この総会では、次回開催地をめぐって、かなり激しいバトルが繰り広げられました。立候補地は、北京(だったかな?)、中国の厦門、台湾の3か所で、まずそれぞれの場所の開催地誘致プレゼンがあり、総会参加者による投票で決められました。結果、台湾になりました。

そのあとで、ラウンドテーブル参加者から聞いたのですが、ラウンドテーブル開始前に、次回開催地でもめたそうなのです。これまで中国、台湾、日本と順番でやってきて、順番で行くと、次回は台湾なのですが、中国側が中国での開催を主張したのだそうです。そこで紛糾したために、広い会場で出番を待っていたラウンドテーブル登壇者(学会中心メンバー)が、スタッフにこちらへと狭い部屋へと移動させられ、半ば強制的に次回開催地に関する話し合いをさせられたのだそうです。まるで拉致です。いや、こういうのを権謀術数というのでしょう。

実は、学会発表でも別のスピーチではペラペラ英語をしゃべっていた中国人の先生が、いきなりすべて中国語で発表し、なし崩し的に質問も中国語になり、日本人や欧米人は訳が分からず退席するというようなパネルもありました。学会申し込み規定には、発表はすべて英語で行うようにと書いてあり、できない人には通訳を付けます、と書いてあったのですが、通訳必要なのは、開催国の中国人の方ではないか、と切れた人も多かったと思います。もちろん、私だって英語帝国主義をいまいましく思うことは多々あるけど、、、でもね、わかんなかったらしょうがないんだよ。ちゃんと通訳つけてくれないと。

こういうのを見てしまった外国人参加はは、中国で開催するのはちょっとなあ、と思って、台湾に投票したのかもしれません。

なんだか、政治の世界で起こるようなことに遭遇してしまったのですが。たぶん、政治って、こうやって文化の違う人たちが思い思いのやり方で動かしているんだなあ、そんななかで自国のかじ取りをしなくてはいけないんだなあ、とつくづく政治家の苦労に思いをはせた学会でした。。。

 

 


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