新人戦で塁審をしていた時のことです。走者二塁の時、ゆるくて高いバウンドの三塁ゴロで、二塁走者は抜け目なく三塁に進塁し、次を狙って本塁方向へオーバーランしました。ところがその時、三塁手がその打球を捕球できずに、打球は三塁手の頭の上を越えて三塁走者に当たりました。
その時、主審がすかさず走者アウトのコールをしました。試合を大きく左右する局面ではありませんでしたし、攻撃側からの確認もなかったので、そのままプレーは続けられましたが、私はどうも釈然としませんでした。内野手が触れる前の打球に走者が当たった場合は、当然アウトですが、トンネルなど内野手を通過した打球に触れた場合はアウトにはならなかったはずですし、そもそも私には三塁手がボールに触れたようにも見えました。
ルールブックを確認すると、七・〇八の走者アウトの項目には、内野手を通過して塁に触れて反転した場合のケースしか書いておらず、やっぱりアウトなのかと思いながら、別なページを確認すると、七・〇九打者または走者の妨害(k)の規定には次のようにあります。
「野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に触れた場合。ただし、走者がフェアボールに触れても、
(1)いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合。
(2)一内野手(投手を除く)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールに、すぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がない場合。
には、審判員は走者が打球に触れたという理由でアウトを宣告してはならない。」
とあります。
この規定は、内野手の守備を妨害したのではなく、内野手が一旦触れたボールや明らかなエラーや捕れなかったボールに後ろで触れてもアウトにならないという規定だと思います。ですから、「股間または側方」ではなく、頭上を越えたボールであっても、それは同じように適用されるべきだと思います。
主審が、この規定を知っていて、「頭上」だったからアウトにしたのだとすれば、その知識はすごいと思いますが、その適用の仕方はルールの主旨に適っていないと思います。
しかし、かくいう私も、その場で釈然としないながら、はっきり言えなかったので、まだまだです。自分が経験したプレーは、強烈に記憶されていきますが、それ以外は、ルールブックを読んでいても、全部記憶するというわけにはいきません。経験第一ですね。
試合進行の善し悪しを左右するのは、審判の技量とも言えます。真剣勝負を壊さないためにも、審判技術も日々精進です!
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今日のジョグ
5.7km 33分40秒