ひょうごの在来種保存会

会員さんも800名を越えました。活動報告を発信します。

保存会通信17号(25年春)大屋町で種の話し  保存会世話人代表 山根成人

2013年06月08日 | 保存会通信17号
大屋町で種の話し
     保存会世話人代表 山根成人

2013年1月13日 
昨年から保田先生主催の農業講座「大屋有機農業学校」で種の話。

この日は話が終わってから昼食会があり、福田さん、久保さん、主催側の和田さん、上垣さんなどと歓談が会ったが、その中身
がとても面白かった。

「大屋町には今のところ全く在来種が登録されてないのです、但馬は兵庫の種の宝庫なのに残念なんです。必ずあります、どうか心に留めておいて下さい」と講演中にお願いしていた。

そんな中「コブタカナ」と「テントウ」という名が出てきた。

テントウというのは数年前に豊岡の田中実さんからちょっと聞いていただけだが、久保さんが「テントウなんてどこにでもあるからなあーあ、そんなんわざわざ言うなんて考えられんわ」

ちょっと私の早合点で特別採種されてきた在来作物と考えていたが「とうがらし」の意味で使われてきたような節があることに気づいた。

「そんなら何でテントウなんていうんやろなあ」
「そりゃ知らんけど、上向いて出来るからちがうの?ピーマンやったら下向いてるやろ」
なるほどそんならタカのツメことなんだろうか。
「種は採り続けているんやな」
「そりゃあんなもの買う人は少ないでえ、使うために置いてたらそれが種になるんやから」
言われてみればその通り。タカのツメを採ってるだけなのか。これも早合点?
田中さんに聞いたときもう少し大きな姿が私の記憶を作っている。
ここは再度調べてみる必要がある夏の仕事にしよう。テントウと呼ぶ唐辛子はかなりあちこちで作られているとのこと。

「他に何か作ってるものがないか?」
「急に言われてもなあ。コブタカナもあるけど、あんなもの特に取り立てて言うほどでもないないだろう」
「取り立てて言うほどでなくてもええんや、要するに種を買わずに作り続けている作物ということや。」
「コブタカナは面白いなあ、長崎のコブタカナはスローフードの世界遺産みたいなものに認定されたでえ。
そしたら3年ほど前に中町(現:多可町中区)のチヨちゃんというおばあちゃんが「こぶ菜」というて彼女が嫁に来たとき、おばあちゃんが若いころに既にあったというから、ゆうに100年は超えている。
名前もタカナとは言わずコブナーーーだから食べ方も漬物とは限らない。
若い葉のおひたし、揚げとの煮物。炒め物など「菜っ葉」として立派に通用している。
ハリマで同じものが出たから『播州コブナ』と名づけたんや、そんならここではコブタカナと呼んでいる。
多分同じようなものだと思うが、これを調査してくれへんか、詳しく。
とにかく作っておられる人の名簿だけ集めてよ。必ずまた来るから」

ということで実りの多い昼食になった。やっぱり足を運ばなアカンと再実感。

それにしても和田さん上垣さんともにいい感じの人できっとこれから種の発掘に尽力してくれることが確信できた。
但馬には何時来ても手ぶらで帰ることが少ない。北村君とことも近い。
今年はまた足しげく但馬を攻めるかーーー面白いね。

  よもつきじほじれば湧き出る在来種  山根成人

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