「復活、伝統野菜が皿の上に」
奈良 清澄の里「粟」オーナー 三浦雅之さん のお話 はじまりはじまり~
福祉活動で知り合った看護士の陽子さんとの新婚旅行先のアメリカで、トウモロコシの種を採り続け、それを糧に生活しているネイティブアメリカンの生活を見たことがきっかけとなってこの世界に入られました。種が生活を続け、生活が続いて伝統となって・・・文化ですね~。
12年前に脱サラされ、3年間ほど奈良県内の農村各地を巡り、各地のおじいちゃんやおばあちゃんからいろんな話を聞かれました。その中で奈良県内各地の伝統野菜の存在を知り、それをきっかけに地域内で農産物の生産や種とり、人の和をつくられはじめ、そして地域の食材を使った農家レストランを開かれました。店は「粟(あわ)」と名づけ、「あ」は始まりを、「わ」は調和を表されているとのことです。(このお店について詳しくはネットでたくさんでています。すごい評判ですね。)
活動地域の清澄の里では、農業を如何に活性化させるか、伝統野菜を如何に生かすかを考えてこられました。(レストラン、生産者の集まり、清澄地域などの関係はココに詳しく。。。
Http://www.kiyosumi.jp/index.html)
「地元の美しい風景に、昔の日本の風景をイメージし、この時代のものを活かして表現してきました。」「今でも大事にしたいと思っていることは、初めて見たのになんだか懐かしいものです。これは大事なものが眠っているものと思います。私は京都府の舞鶴出身ですが、奈良で始めて伝統野菜を見た時もこの懐かしさを感じました。昔の日本の風景が地域には古くからあります。今は昭和30年代の日本文化が残る最後の時代。この時代のものを活かしていこうと思っています。」
また、「一方、新しい伝統野菜を作ろうという動きもしています。100年後に残る野菜という意味です。未来を見ていきたい。」とも。
京都の石橋さんが「京あかり」とか「京てまり」とか手がけてられましたが、同じ考え方なんでしょうね~。
また、伝統野菜の必然性というか、存在の理由について
「伝統野菜を細々と作り続けているおじいちゃん、おばあちゃんに、『何故残しているの?』と聞いたときの答えは「伝統」とかではありませんでした。「おいしいから」と返ってきます。個人の嗜好性とつくり易さの2つの要素が継承されて残ったものです。この結果として、豊かな食文化が形成されたものと考えています。」
お店では
「お店を使って生産と消費の距離を縮めていきましょうと取組を進めています。料理は家内がつくっています。私自身はあまりできませんが、この料理のベースとなるものや彩りとかを考えています。」
ネットをみていると沢山の若い人が活躍されています。ブログも今風ですね。
私らへのリップサービスなんでしょうか・・・兵庫県内の取組みを褒めていただいて、そのあと地元奈良の課題をおっしゃいました。
「奈良県内では伝統野菜の取り組みが遅れてるのではないかと思う面があります。今、平城京遷都1300年イベントを行っていますが、観光客は寺を見るだけで、食事や宿は京都・大阪に行ってしまうようです。まだ奈良県は県内の観光資源を十分に生かし切っていないと思います。」
その一方で、
「私がこの活動を始めた12年前、誰も伝統野菜なんて言っていませんでした。もともと、野菜というものは市場流通や換金作物といった考え方が少ない食べものです。さらに奈良県は平たい土地は少なく、ほとんどが中山間地なので、出回る量も少ない。そのためにあまり誰も気にとめていなかったのかもしれません。」と今の流れをお話されました。奈良県内で、点から面への活動、ボリュームのある活動が必要なのでしょう。
その原動力として、
「県内の野菜に私がはまった理由として、一番大きいのは、作り続けている人に魅力的な人が多かったこと。仏掌芋(ぶっしょういも)の青木さん、ウーハンの鳥山さん・・・たくさんいらっしゃいます。」とたくさんを紹介されました。これはひょうごの在来種でも一緒ですね~。
最後に奈良県の大和野菜も紹介されました。
詳しくはココ
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-2767.htm
(個人的ですが「ひもとうがらし」が大好きです。夢前の岡山さんから苗を戴いたのをきっかけに5年ほどつくり続けています。フライパンで軽くあぶって醤油をちょっとつけて食べるのですが、飽きませんわ。いい野菜です。)
レストランの経営者だけあって、最後はデザート(!?)。
「今、『むこだまし』という 粟の和菓子をつくっています。『むこだまし』とは粟の名前です。通常モチアワで餅を搗くと黄色い餅ができるのですが、それに対して『むこだまし』は白い餅ができ、婿がコメの餅だと思ってだまされるということから名前がついたようです。」
質疑応答
棚田ラバーズの永菅さんが「種類も量も多いのでしょうが、どのように組織だって種採りしているんですか」と質問。いい質問だ~。
(永菅さんは県立大学卒業されて、現在は有機農業の営農研修受けてらっしゃるとか。相変わらずいつも元気だね~)
「NPOでは150種の種採りをやってます。そのうち45種が伝統野菜です。皆、人毎に得意分野で担当分けを行っています。種採りは義務が使命。モチベーションはそのお野菜が美味しいことです。美味しい野菜をしっかり食べることを皆で共有していく。この中での役割分担が重要ではないのでしょうか。」
わかりやすー!!!。