ひょうごの在来種保存会

会員さんも800名を越えました。活動報告を発信します。

260817八鹿浅黄(ようかあさぎ)大豆

2014年08月17日 | 調査活動





代表の山根さんの友人であり、保存会の会員でもある方から八鹿浅黄という大豆を使った豆腐とがんもどき、おからの料理をいただきました。







 いただいたものに、山根さんからのピータン、但馬のまほろばで買ったなすの蒸しものを添えていただきました。

 八鹿浅黄は青大豆ということですが、豆腐の色にはその青であった面影はありません。
 どちらかといえば、黄色というより白。このようなプレミアムな豆腐には黄色味のあるものを見ますが、それらに反して黄色味はほとんどありません。
 なめらかではない表面は、力強い砂岩のような風合いが感じられ、強い結合が感じられます。
 箸を入れて切ろうと持ち上げますが、少々では切れません。木綿であることを考慮しても、この砂岩のようなブロックが高野豆腐のように曲がります。持ち上げると崩れず持ち上がり、感触も水っぽい感じがありません。明らかにいつもの豆腐ではありません。
 口にして舌で押さえつけると、外見から見る力強さが一変して「ほろり」と団粒構造のまま、舌の上で崩壊します。
 そのまま舌で潰すと、濃く深い大豆の味と、その隙間から染み出る甘い水。ほんと甘い。
 ぎゅっ・・おいしい。
 口中ですり潰しながらゆっくり呼吸をすると、甘水を絞った大豆タンパクが練り状に、そして液状になり、鼻空に濃い豆の香りを漂わせます。
 私は昔豆腐というものを知りませんが、美味しいだけではなくこれをつくってくれた方の手間というか作り方というか・・・製造の姿が想像できる、ありがたみのある豆腐です。




 がんもどきは少々小ぶりで上品な様相です。口にするとしっかりと全面が揚げられており、皮は香ばしさとともに味を外にださない役割、油による口当たりの良さなど備えています。
 そのまま噛み締めると、がんもどきというのは「ぎゅっ」と噛み締めて「じゅっ」と出汁が染み出て、そのあと大豆タンパクの美味しさを噛み締める・・・というのが特長でしたが、このがんもどきは豆腐らしさをそのまま保っています。
 つまり出汁をかかえる隙間はなく、豆腐そのままの部分が大きい状態です。強い結合が油によっても水分を離すことがなかったのか、中はしっかりとした豆腐の強さのままでした。若干水分が抜けつつも、豆腐生地の大豆タンパクがひじきやぎんなんなどの美味しさをまとめあげ、そう、「しらあえ」的というか、一般のがんぼどきと比べると、コロッケとカニクリームコロッケの差といえばいいのか・・・・・・そういう美味しさも兼ね備えています。ともかくおでんのネタというより懐石のひと品です。

 おから・・・
 おからとはいえ、これはカスカスではありません。きれいな舌触りです。
 おからのことも考えて豆腐の絞り方も最後までせずに残されたのかな・・・
 それともおからの段階で再度すりつぶしたり濾されたりしているのかな・・・などと思います。
 味はもう前述の2件を読むとご察しのとおりおいしい。さらに鮮烈なネギまで入っているんですよ。
 もう、このおからを丼によそってごはんをふりかけて食べたい。
 
 今回、八鹿浅黄の加工品をいただきましたが、青大豆であるけど「青色」を特長とはできないこと、甘みのある大豆であること、(豆腐が作りやすいという意味ではないが)「凝固」した時の味が濃く、食感が強いことなどが想像されました。
 そして、普通の豆腐とは違うボリューム感と濃さは商品としても値打ちがあるものではないかと思いました。

 ただ・・・・はっきり申し上げて、この料理してくれた方は腕がいい。
 この方の料理はすばらしいと思う。
 「なら八鹿浅黄じゃなくてもおいしいんじゃない?」そう思う貴兄に。

 違います。八鹿浅黄だからこの味がでたんです。

 その理由は・・・

240727 「ハリマ王にんにくが食べたい」 8月1日から アスティアかさい10周年記念②

2012年08月01日 | 調査活動
北本家にも寄ってきました



これがハリマ王にんにくの北本家です



何を言おうとこれが北本家なんです



なにやら兵庫県の認証食品になったとか



「シール貼るの、大変やねん~」と奥さん



北本さんのとこ、にんにくだけじゃなく米や豆もみんな有機質肥料使ってるし、化学合成農薬つかってないですもんね・・・

いつもにぎやかで、ひっきりなしに電話のかかってくる北本家でした。

240727 「ハリマ王にんにくが食べたい」 8月1日から アスティアかさい10周年記念

2012年07月30日 | 調査活動


北本さんご夫妻とお会いし、8月1日から始まるイベントの試食。。。

アスティアかさいで開催されます。
そうそう、コープの入っているビル。前にでかいイオンできてる。
http://www.asuteer-kasai.net/

4つのお店で開催されるらしく、「喃風 加西店」さんにおじゃましました。

この店のハリマ王料理は3品。
それぞれお願いしました。

まず最初は「鶏とニンニクのホイル焼 バジルレモン風味」



若鶏も柔らかくたっぷりレモンがいい感じで意外とあっさりいただけます

大振りなニンニクは恐る恐るいただくサイズですけど、ホクホクでうまい!
ニンニクの辛味は飛んで甘みが出て・・・火のとおし方がいいんですね。




ご夫妻はまるでわが子の晴れ舞台のよう


続いて茄子の辛味噌炒め



辛味噌がご飯を欲しがらせます
かみ締めると跳ね返す強めの肉の食感が・・・・「鳥皮?」と店長にお聞きすると「豚トロです」。

最後ににんにくスタミナ焼きそば



間違いない美味しさですね

喃風自体がおいしいから味付けにはずれは無いですが、「喃風がハリマ王を使ったら」という攻撃的な料理で、さすが喃風という納得の火入れ加減でした。(ニンニクって火入れ加減がコツですよね・・・と思うんだが。)

でもこれは夜用の料理ですね。。
酒が欲しいわ・・・

ビールも安いようだし、北条町駅前なので、電車使って夜に行きましょう! 山内さん、小松さん。





231223丹波調査4 篠山市 川北黒大豆

2012年02月02日 | 調査活動
川北に寄って来ました


江戸中期からの記録しかありませんが、ここで黒豆が生まれ育ち、領主青山公により「特選黒大豆」として精選され幕府に献納されました
江戸でたいそう名声となったそうです

明治時代には、川北の黒大豆から波部氏が選別育種され、原々種から採種し、「波部黒」として皆に良質な黒大豆を皆に広めました
この黒大豆も宮内庁お買い上げとなり、全国に名を響かせました

昭和9年、名声が高まった産地は「川北大豆」と「波部黒大豆」を「丹波黒大豆」としてに統一しました

昭和16年、兵庫県は波部黒の特性把握を行い、県奨励品種「丹波黒」として普及させました・・・



川北は丹波黒の聖地なのです



田んぼで乾燥したまんまの丹波黒

まだ莢の中なので原石みたいなものですが、力強く美しいです





こちらはほ場です


この写真は川北ではありませんが、脱粒作業をされていました

231223丹波調査3 篠山市 農産物直売所「JA丹波ささやま 味土里館」

2012年01月31日 | 調査活動
丹波市青垣を後にし、篠山市へ。

デカンショねぎと住山ごぼうを見に行きました。

すごい大きい直売所です。賑わっています。

ねぎは見事にきれいです。

品種は何だろう・・・。

「あじぱわー」という説もあり。


「あじぱわー」とか「なべちゃん葱」とか最近はやってますね・・・。確かに下仁田「も」うまい。





231223丹波調査2 丹波市青垣町 あざみ菜(栽培ほ場)

2012年01月30日 | 調査活動


加工所を見学させていただいたあと、栽培ほ場もお願いしました。

足立さんの車を追ってほ場へ。
もう冬将軍到来の青垣の畑でひときわきれいな緑色を呈しているのがあざみ菜です。

例年、8月20日過ぎから播種し始め10月いっぱいまで。
今年は生産者7~8件の皆さんで2ヘクタールほど播かれたそうです。

播種して60日ほどで収穫。(雪が降ったりしたら長くなるそうです。)
収穫は10月10日~3月一杯・・・トウが立つまで収穫されます。

種は種用として地元で採種したものを冷凍して残しておられるそうです。
「たくさん採ってある。絶対に他の産地には出さないようにしている。」と足立さん。

また栽培中に広い葉のものがでてくるものがあるそうで、「出たら抜いている」とのこと。
山根さんは広い葉のでたものを見て、「広い葉だと阿蘇たかなみたいやなぁ・・・」

収穫から漬物完成まで
1日目 収穫→下漬け
2日目 下漬けを切り返して漬け直し
3日目 袋詰め→出荷

今、足立さんはこのあざみ菜漬けを、丹波市内の小・中学校、給食センターに廻って、先生達に営業活動されています。
自分の車で営業に回られ、新車で買った自動車も4年で10万キロ(!)も走ったそうです。
「売るのにたいへんじゃ」

この元気は足立さん、なんと88歳!!
ニコニコ笑顔にシャキッとした迫力ある風貌はとても思えません。。。

最後に、このあざみ菜の由来

九州から来られた学生が教育実習で丹波に来られたとき、丹波の方に九州からもってきた種を置いておかれたそうです。
その種を丹波や京都の農家が栽培していろいろ試されたところ、当時の青垣町が、丹波もみじ三山のひとつである青垣町の「高源寺」に来られるお客に土産物となるものを、と土産物を探されており、特産化されたとのこと。

山根さんの「阿蘇たかな」もあたっているかも・・・。







最後に、青垣の道の駅で美味しかったもの!
グルメブログ風に。

231223丹波調査1 丹波市青垣町 あざみ菜(加工所)

2012年01月28日 | 調査活動



おひさです。。。

年末に、「足の調子、どないや。そろそろ調査、いかへんか?」と山根さん。
小林さんの車に乗せていただいて、久々に丹波に向いました。

丹波市青垣町の道の駅に9時集合。
道の駅の裏側に漬物加工場が在りました。
農事組合法人おいでな青垣があざみ菜を加工されています。

加工所を覗くと、5人の方が漬物を袋詰めされています。
「おはようございます。お電話させていただいていました在来種保存会なんですが、足立さんはいらっしゃいますか。」

「あー、はよみんと終わるでー。」
足立藤吉氏がいらっしゃいました。

今日はジーオのテレビカメラもあり、少々大部隊(6人)の調査隊でしたが、快く取材を引き受けていただけました。

あざみ菜漬けはここ青垣の道の駅の特産物。
あぶらな科特有の香りとコクのある味、シャキシャキ感はいわゆる「漬け菜」として美味しいものですが、あざみ菜はそれに加えて、柔らかい葉、きれいな深緑色、ピリッとした辛みが特長です。

私はコレが好きで・・・特にお茶漬けがたまりません。
封を切ったら大振りに切って、暖かいごはんの上でごはんを巻くよう、はさむようにして食べます。
翌日以降は小さめに刻んでお茶漬けに。ワサビや醤油を添えてもいいですね。
数日経ったら卵と鰹節(またはじゃこ)と一緒に炒めていただきます。

夏でも冷凍で売ってるし、人にあげても喜ばれます。
1袋が200グラム300円というのがいいですね。









220709田能のさといも~自然と文化の森協会③

2010年10月04日 | 調査活動
 栽培は休耕地を活用されています。休耕地を活用しているため、なかなか農地が借りられなかったり、連作障害のために続けて同じほ場で栽培できないということもあり、毎年土地の確保や作付計画に苦労されています。だいたい毎年10a~20aくらいの面積で栽培され、オーナー制です。今年のオーナーは23名。最高時は86名だったそうです。肥料は園田競馬場の馬糞堆肥など有機質肥料を使用し、農薬も極力使用しない栽培方法を実施されています。
 毎月2回程度の農作業と秋には収穫祭(のっぺい汁)を行っていらっしゃいます。オーナーになると一人20株程度が割り当てられます。1.3m×10mが基本とのこと。オーナーの募集は、以前は市の広報使ってましたが今は希望者が多く、募集しなくても集まる状態だそう。今年は約1,200株栽培中です。多いときで2,000株したこともあったそうです。
 

○種芋は
 この種(元芋)は活動を始めた時に地元にあったもので、昔からおいしいと評価されていたものを使っています。今もオーナー制を行っているほ場とは別に「種場」をつくって種を保存されています。そこも見学させていただきました。ここも美しい。住宅街にきれいな畝が並びます。種芋は収穫後、株ごと地中に埋めてビニールをかぶせておくそうです。

○市民活動
 この市民活動は、総務大臣賞を受賞したことがあります。
「地域の個性豊かな発想を活かし、住民を始めとして様々な主体が取り組む魅力あふれる地域づくりを積極的に推進」するという地域づくり総務大臣表彰というもので、地域をより良くしようと頑張る団体、個人に表彰されるものです。
 詳細→http://www.arpak.co.jp/nl/136/136_8.htm

○最後に
 今の会で重点的に進めておられることをお聞きすると、今の課題は指導者の後継者を育てることだそうです。そのためにはこの活動をお皆に知ってもらい、機運を盛り上げたいそうです。 最後に、11月21日に収穫祭が開催され、試食会もあるようです。田能のさといも、姫路えび芋、小野芋・・・地域の在来種によりオーナー制や試食会をするということは同じでも、取り組みはいろいろ。保存会と一緒になにか交流企画ができないですかね。

《種芋畑の写真です》


220709田能のさといも~自然と文化の森協会②

2010年10月01日 | 調査活動
○活動のきっかけと活動主体
 きっかけは、尼崎市が平成13年に策定した「自然と文化の森構想」です。これは、地域に残る豊かな自然環境や伝統、歴史などをもう一度見直し、市民が憩い、楽しみ、学ぶことのできる地域にすることが目的とされています。そしてこの活動の主体は「自然と文化の森協会」であり、市民活動として展開されています。
協会には「農業」「緑」「水辺」「歴史・文化」の部会があり、田能のさといもに取り組んでいるのは農業部会です。
ちょっと脇にそれてこの協会の活動を紹介しますと、「緑分野」では外来生物(トウネズミモチ)の伐採や生物多様性の研修など猪名川自然林の保存活動などを、「水辺分野」では水辺で楽しみ隊による生き物観察やバッタ捕り、水辺フォーラムの開催や猪名川クリーン作戦などを、「歴史文化分野」では、わがまち歴史ウオッチングによる歴史探訪実践講座や歴史記録など、幅広い活動をなさっています。
(注:これらの活動には協会主体の活動と協会が支援している活動とが混在しているかも・・・聞き取り不十分ですいません。)

○そもそも「田能のさといも」とは
 この地域に昔からつくられていた里芋で、「かゆくない里芋」として地元で評判です。今でも地元の農家が栽培され、主に自家用ですが、収穫時期にはJAの直売所でみかけることがあるそうです。会員でない我々が入手できるのはココですね。そうそう、茎は薄緑色です。ずいきとしては食べられていないようです。

○協会の農業分野が実施されている活動
 農業部会は現在約70名で構成され、田能のさといもを手がけて10年になるそうです。なんとこの活動組織の中に農家はいません。
昨年(21年度)の活動をお聞きしましたが、すごいですよ!。4月12日の種芋の堀上作業から始まり、植え付け、除草、追肥、馬糞敷き、土寄せ、潅水(土寄せと潅水が何度も続く)、枯れ葉除去や芋掘り、袋詰め、収穫祭、整地、種芋の保存まで、なんと年間19回の共同活動を実施されています。それもこの19回以外に有志の方が7月末から9月初旬の炎天下に19日間、畝間潅水などの作業をサポートされています。田能のさといも、恐るべし!
今年は5月に総会を行い、今、皆で栽培中とのことでした。