ひょうごの在来種保存会

会員さんも800名を越えました。活動報告を発信します。

220612「京の伝統野菜調査」⑧堀川ごぼうの大谷さん

2010年08月31日 | 保存会の現地研修会
3 大谷さんの堀川ごぼう

 次に堀川ごぼうの大谷さんを訪れました。

 樋口さんの鷹が峯唐辛子→大野さんの賀茂ナス→そして大谷さんの堀川ごぼうは左京区一乗寺。ということは、今回の研修は、京都市街地の北部を西から東へ平行移動しているようなもんですね。
(個人的なことですが、私は高校以上大学未満の1年をこのあたりで過ごしました。)

 携帯で電話して向かうと、待ち合わせ場所に大谷さんがいらっしゃいました。
 早速畑に・・・・やっぱり住宅地内でした。マンションや学校が並ぶ中、確かに畑があります。さすがに広い道路沿いはありませんが、少し中に入ると、畑自体は大きくはないものの、結構、数は多く残っています。
 神戸も垂水区には田畑が残っていますが、年々どんどん住宅にかわって、「10年一昔」の様相です。でも京都を良く知る小林さん曰く「京都は昔から混在。多分10年後も今と大きくは変わらない。」らしいです。
 今日は朝からこんな光景ばかりなんで、少々慣れてきましたが、これが京都の人の生活バランスなんでしょうかね。

 さて、大谷さんの畑に降りて、お話を伺います。
 大谷さんは京都市バスの運転手をされ、定年後に本格的に農業の世界を継がれたそうです。
 堀川牛蒡はこれから植えられるそうで、丁度、畑がきれいに耕された後でした。


《「京都の伝統野菜に学ぶ」で展示していた堀川ごぼう》


220612「京の伝統野菜調査」⑦賀茂ナスの大野さん

2010年08月28日 | 保存会の現地研修会
そして肝心の種の話。
「種は我々のグループに種の会があって、そこの役員さんが種をとる役になっています。役は固定ではなく、2~3年に一度、皆に順番が廻ってくるけどね。そして青枯れ病がでるのでトレバム(青枯病に強い台木)に接いでもらってます。」
「昔の賀茂なすはもっと固かったとか言われてる。今は固すぎるものは好まれないので、少し軟らかいものが主流です。」

最後に「後継者は・・・」と会員さんが心配そうに訊ねると・・
「他の伝統野菜に比べて賀茂ナス作っている農家は若い者が多いですね。
夏に賀茂ナス作って、冬にはすぐき。これだとあまり競争が無いのである程度、収益性はあると思いますね。」
若い方が多いんですね。まだまだ賀茂ナスは安泰です。
(だいたい大野さんが若いですよね。イケメンやし、案内しなかったこと玉さんに怒られるわ。。)

ちなみに大野さんは樋口さんに紹介していただきました。

(次回から堀川ごぼうの大谷さんです)





220612「京の伝統野菜調査」⑥賀茂ナスの大野さん

2010年08月24日 | 保存会の現地研修会
会員さんの「出荷先は?」の質問に、
「出荷先は全国の料理屋ですわ。賀茂なすは市場に出しても、あまりいい値段は付きません。契約栽培(出荷)が中心になっています。今ならいろいろ平均すると1個3~400円ってところですかね。売れるかどうかっていうのは観光客の数によって変わってきますからね。京都によう来ちゃってください。(笑)」とタイガースの藤川のような笑顔。

大野さん http://www.kyoto-food.jp/item/kamonasu.php

さらに「肥料とかは・・」「「水やりは・・」との質問に
「肥料は多くやっていますよ。千両(よく出回っているナス)よりかなり多いですね。水も2日に1回はしっかりやっている。なんせ手間かけてます。」
「賀茂なすはすぐぼけてしまうんですわ。(ぼける・・・ナスの実の表面のつやが無くなる。暑くなるなど水分の蒸散に根からの水吸収が追いつかないと発生する)温度、水分、暑さ・・・いろいろ難しいです。このハウスも梅雨明けるとビニールとりますわ。露地になります。」

「ぼけなす」の語源ですわな。。。


9月8日姫路護国神社 スローフードな縁日

2010年08月22日 | 各種イベント(保存会以外の主催)
いきなりですが、広告です。
ひょうごの在来種保存会も野菜で出展します(・・・というか、するようです・・・)。

 「あん西」さんや「天晴水産」さんがさななを、「小松屋」さんが味噌を、「大陸」さんや「楽や」さんがお菓子を、「ヤマサ」さんがおでんを、「壷坂」さんや「灘菊」さん「酒岳堂」さんがお酒を・・・というのは、前の地の座からm常連さんですね。もう姫路の食の顔です。でもこの方々以外にもたくさん、約30社。
 一流の屋台村が開催されます。

9月8日(水) 午後4時~8時30分 ※小雨決行
• 前売り券 ¥3000
• 当日 ¥3500
※ ウェルカムドリンク+食のポイント券付き
お問い合わせやチケットのお求めは、
スローフード播磨の事務局 平井さん 090-3465-4043へ



いろいろ宣伝されてます・・・
http://ameblo.jp/to-ru1981/entry-10602162985.html
http://blog.livedoor.jp/hanaken_blog/archives/cat_26789.html
http://jurakuan.blogspot.com/2010/07/blog-post_21.html


220612「京の伝統野菜調査」⑤賀茂ナスの大野さん

2010年08月21日 | 保存会の現地研修会
2 大野農園の加茂なす
 次は同じ北区ですが上賀茂神社の北の方、こちらも住宅地です。完全に迷ってしまい、大野さんに迎えに来ていただきました。
大野さん http://www.kyoto-food.jp/item/kamonasu.php

賀茂なすのほ場に向かい途中で軒下にたまねぎの干したのを見ました。こっちでは葉をつけたまま干すんですね。すだれのようで美しいです。



さて、ほ場です。結構大きなハウスです。それも大掛かりに上から吊ってあるところをみるとかなり上まで伸びるんですね。
「仕立て方は人によりいろいろ。私は主枝と測枝2本の計3本。一文字にしているけど、V字の人も多いかな。だいたい12段くらいとります。3本仕立てだから計算上、1本で36個ってことになりますけど、なかなかきっちり生らせるのは難しいです。『秀』なんて何個かしかとれませんね。」と大野さん。
「今は15aの栽培しています。出荷できるのは直径11.5センチ以上となっています。なかなか大きくならない品種ですわ。」と、周りの賀茂ナスを見ながら「これはまだ小さいです。これももう少し・・」とチェック。2日に一回程度収穫して出荷されているとのこと。

220612「京の伝統野菜調査」④鷹峯とうがらしの樋口さん

2010年08月04日 | 保存会の現地研修会

鷹峯とうがらしの他に採種されているのは、鹿ヶ谷かぼちゃ、九条ねぎ、えんどう豆、茎だいこん・・・鷹峯だいこんなんているもの昔はあったそうです。

「最近は温暖化で、10月1日に種播けばよかったものが、10月10日になってきよる。」と、単に続けることだけでも駄目だとおっしゃっています。

研修のときの資料にも
「生産量を増やすために風土に合う合わないにかかわらず品種改良した『伝統野菜』と称するものが出回っている。」
「単価が高いというだけで栽培している人は適期も知らないため、本来の伝統野菜ができない。」
「伝統野菜の品質が落ちればブームも去る。」
「そうならないためにも、先人の思いを理解し、技術を学びたいと言う若手農家を疎抱けること。そして地元の子供たちにその土地で採れたおいしい在来野菜の味を知ってもらうことが、また、若手農家を育てることにつながっている。」

(全くの偶然ですが、世話人の小林さんと一緒に調査している途中、西宮で「樋口さん知ってる。小学校のときに野菜の説明してた。地元の有名人。」と鷹峯小学校出身者とお会いしました。「おばあちゃんの売っている野菜が美味しくて。」と。)

帰りに九条ネギの採種ほ場もみさせていただきました。丁度種採り時期ですね。忙しいときに大勢でおしかけ、すいませんでした。

鷹峯の最後に・・・
鷹峯は住宅地ですが、すぐ裏はこんな美しい風景が広がっています。
(一緒に行った方、見学したハウスの向こう側にこんな世界がありました!)


(次は加茂ナスの大野農園です)

220612「京の伝統野菜調査」③鷹峯とうがらしの樋口さん

2010年08月01日 | 保存会の現地研修会
さて、樋口さんのハウスを見させていただいている時、樋口さんがいきなり支柱をとりだし、ハウスの地面に突き刺し、「グサッ!! ぐーーーーーっ  」。 えー?! 支柱が全部土に入ってしまう!! なんと深耕1メートルだそうです。

「やっぱ土づくりが大事やな。藁や土づくり資材やいろんなもん入れていろいろやってる。お金かけないとお金は返ってこない。深耕も大事や。おやじが昔から『深く掘れ』って言ってたけど、確かに深耕するほど収穫の息が長い。息子と実感しとる。今、ユンボで1ハウス1週間かけて掘って土づくりしとるけど、将来は1.5メートルくらいの深さをしたいな。」
なんですとー!? プールができますよー。



樋口昌孝さんは14代目。13代目の親父さんは20年ほど前に他界されたそうですが、今でも親父さんの日記を参考に作業されているそうです。(続く)