本日、最乗寺永代経法要と東日本大震災追悼法要が勤まりました。
前日と打って変って肌寒い一日となり、お参りになられる方も少ないのではとヤキモキしていましたが、開会の頃にはその心配も杞憂に終わり一安心。
法要では、多くの方々のお顔を拝見できることが何よりの歓びです。
その歓びを、今回の法要でも感じさせていただけたことに、ただただ感謝です。
受付の龍くんはマイペースにお絵かき♪
さて、昨日の法要は例年行事の永代経法要に急遽、東日本大震災追悼法要の勤修が加えられての開催となりました。
実は、最乗寺において、二つの法要を一度に開催した前例がありませんでした。
前例がないということは、表白(ひょうびゃく)がないということ。
表白とはご本尊や僧侶、大衆に法要の主旨を説明する文章のことで、今回の法要で言えば、住職がジャバラ状の白い紙を読み上げていた、その文章が表白です。
僧侶向けの書籍に表白集というものはありますが、永代経と災害追悼の合同法要の表白は載っていません。
…載っていないのなら作るしかないっ!
というわけで、龍くんが寝静まってから文章を作り、和紙にプリントアウトし、ジャバラ状に折って貼り合わせるという、手作りの表白を完成させました。
多少、古い言葉が使われているので、聞いただけではお分かりいただけなかったかもしれないので、この機会に全文を転載しますので、皆さまにもお味わいいただけたら幸いです。
敬って 大慈大悲の阿弥陀如来の御前に 白して言さく
本日ここに うやうやしく仏前を荘厳して 懇ろに聖教を拝読して
当山最乗寺 永代経法要 並びに東日本大震災追悼法要を勤修したてまつる
それ おもんみれば 釈迦如来 諸行は無常なりと説きたもう
まさしく 過ぐる三月十一日
突如として襲い来たりし 東日本大震災と津波によりて
無慮十万余の家屋 一瞬にして押し流され 幾多の人命を奪い去る
あるいは父 あるいは母
あるいは夫 あるいは妻
はたまた 我が身に勝りて愛しき子を失う
悲しいかな 痛ましいかな
嘆きても なお嘆くべし
悲しみても なお余りあり
しかれども 阿弥陀如来は はかりなき昔
苦悩の民を憐れみて 安楽浄土を建立し
限りなき慈悲の御心をもって 一切の衆生を救い給う
されば 災害にいのちを断ちし人
今は浄土に生まれ 麗しき仏となり
後に残れる人々の心に還り来たりて
我を導き 我を励まし 念仏の日々に誘い給う
希(ねが)わくは 今日 ここに集える人々 先を訪ね 後を導き
念仏相続を誓わん永代経法要を機縁として
故人の威徳を偲びては ますますの聴聞を深め 報恩謝徳のまことを尽くさんことを
伏して請う 如来 深く大悲を垂れて哀民納受したまえ
以上が今回の法要の表白です。
いかがでしたしょうか?
普段は聞き流しがちの表白ですが、お坊さんは法事でもこのようなことを読んでいるので、今度からは耳を澄ませて聞いてみてください。
なんだか長くなりましたので、布教師さんのお話はまた次回に。
話の途中ではありますが、ご参拝くださった方々に厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございました。