週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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もらいものの人生

2011-04-17 02:07:22 | ひとりごと

                   


はるがいてくれて、とても幸せです。
はるのおかげで、私たちははじめて知ることができました。
愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを相手からもらうものだと。

                             『まほろ駅前多田便利軒』(三浦しをん著)より。


【はる】という名の幼い娘を抱き上げながら、愛おしそうに母親が口にした一節。
今なら、その気持ちが痛いほどよく分かる。

感情とは、自分の中から自ずと溢れ出すものだと思っていた。
溢れ出た感情を、人に分け与えることができると思っていた。

けれど、それは違ってた。

感情とは、自分一人では溢れ出てはこないもの。
誰かがいて、何かがいて、初めて溢れ出てくるもの。

だから、自分から与えようなんて、おこがましく思えてくる。

勇気を与えることも。
元気を与えることも。
夢を与えることも。
希望を与えることも。
感動を与えることも。
愛情を与えることも。

私にはできそうにない。

勇気をもらって。
元気をもらって。
夢をもらって。
希望をもらって。
感動をもらって。
愛情をもらって。

もらってばかりの人生だ。

龍くんへの愛情だって、龍くんがいたからこそ芽生えた感情。
私の龍くんへの愛情は、龍くんからの頂き物。
喜び・怒り・哀しみ・怒りも、頂き物。

そうやって、自分の中にある全ての感情が、誰かから、何かからの頂き物だと気がつくことで、繋がりあいながら生きている自分の姿が見えてはこないだろうか。

私は決して一人じゃない。