ぷちとまと

FC東京、もう飽きた。

2006年3月のお気に入り

2006年04月02日 21時14分58秒 | お気に入り
●書籍部門

・アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(A Clockwork Orange)

数々の凶悪犯罪に手を染めてきた少年アレックスが刑務所から別の施設に移され、善良な市民に生まれ変わるために受けた矯正法の内容とその結末は?
それは「選択」がキーワード。
40年を経ても全く古さを感じさせない、かなりイカれた(bezoomny)「大人の寓話」。

たるんでしまって読み終えるのに10日以上かかってしまったが、実際には3,4日も必要としないボリュームであり、スピード感を損なわないために、もっとskorryに読むべき作品。「入れたり出したり」しながらだと、もっとhorrorshowだろう。

時計じかけのオレンジ DL-21150
映画
の方はこれから観る予定。

・梁石日『血と骨』

ちょっと文章に難があるなと感じる箇所があったりするが、それを補って余りある勢いで、金俊平という、むき出しで強烈なキャラクターを描き切ってしまった。
済州島出身の在日朝鮮人が、どうして韓国ではなく「北」へ帰って行ったのかなど、在日朝鮮人をとりまく諸々の事情を知ることもできて面白かった。それがどれだけ真実なのかは知らないけれど、金俊平が実在の人物なのかということも含め、"an example of life in old Korea"(懐かしい)ってことでいいんじゃないでしょうか。

映画も観たが、原作を読んだ後だと、はっきり言って「カス」。観るなら原作は読まないことをオススメする。
始まってすぐに戦争が終わり、原作の前半が省略されているし、ビートたけしは悪くなかったけど、金俊平の「凄み」は1割も表現できていないのではないか。

また、高信義と金俊平の関係が原作と全然違うのだが、意図が全く伝わらない。意味を持たせられないのならば、原作のままにしておけばよかったのである。
それに、息子の名前が正雄って何だ? 原作では息子は成漢で、正雄なんて名前は一度も出ていないのではないか。成漢=正雄なのか。それは、ステパン・アルカージエヴィチとオブロンスキイとスチーワが同一人物であるのと同じくらい、在日朝鮮人の間では自明なのか。

柏原収史「オ○コしたいなあ」と言うのを観たい人はどうぞ。
あと、ビートたけしとオダギリジョーの乱闘シーンは、それなりの見応えあり。

●音楽部門

・斉藤由貴『MAY』

五反田の蕎麦屋で、いきなり耳に飛び込んできてハマった。
CDを買っておくべきか。
ゆうこりんに歌わせると、絶対にいいと思う。