中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

夕月

2011-04-09 11:46:03 | 身辺雑記

子どもの頃に歌っていて、今でも歌詞を覚えている歌に、文部省小学唱歌の『朧月夜』がある。6学年用で、私が生まれた昭和8年(1933)につくられた。

 

http://www.youtube.com/watch?v=LiDgphPtjb4&feature=related

 

一、菜の花畠に、入日(いりひ)(うす)れ、
  見わたす山の()、霞(かすみ)ふかし。
  春風(はるかぜ)そよふく、空を見れば、
  夕月(ゆうづき)かかりて、にほひ淡し。


二、里わ火影(ほかげ)も、森の色も、
  田中の小路(こみち)をたどる人も、
  (かわず)のなくねも、かねの音も、
  さながら(かす)める朧月夜(おぼろづきよ)

 

 

 小学生用の唱歌と言っても、文語調でいかにも時代がかっているが、私も小学生の時に習い、とくに理解が困難なこともなかった。当時は小学生でも易しい文語調の文章なら理解できた。この歌は当時でもそうだったが、今も私は大好きで、とくに夕暮れ時の農村の情景を歌っている2番が好きだ。

 

 夕月は旧暦4~6日の月で細い鎌のようだが、とくに前日(3日)の三日月を指すこともあるようだ。4月6日の月は夕月だったが、季節的にはこの歌の「菜の花」や、「蛙のなくね」、「春風そよ吹く」には少し早い。次の夕月の日は5月6~8日(旧暦4月4~6日)で、5月6日の東京での日の入りは18時32分、月の入りは21時23分(インタネット『こよみのページ』)だから、この歌の情景は自然の姿をよく写していることになる。

 

 

     三日月:Wikipediaより