「ルールのない歌会」のキャッチフレーズどおり、むずかしい決め事は一切なしの短歌セミナー報告です☆
パーリィーテラスに素敵なレポートが掲載されてますのでそちらもご覧ください。
最初は、今回のテーマ「桜」をイメージする言葉を、みんなであげていき黒板に書きだしました。
頭の中に浮かんだ言葉を、実際の文字にして視覚でとらえ直すと、イメージはさらにふくらんでいきます。
そのあと、銘々作歌にはいりました。
作歌するうえでの、アドバイスは以下のとおり。
①いいたいことをはっきり言わない。ストレートに言いすぎると、味気ない。
②横文字(カタカナ)を入れてみると新鮮に。
③ほかの言葉で、表現できないか考えてみる。
まず、私のこれまでに作った歌の中で、桜を使ったものをいくつかご紹介☆
第1回めのご報告なので、悩ましい歌はおいといて・・・・
割と健全?な歌を!
すべて忘れて
青空に
ピンクふくらむ
私も解禁
(ピンクと解禁の2文字が、パッと目に入ってきます。青空いっぱいに広がった桜と、春になってやや危うげなほどに開放的になっている私。解禁の先には何があるのか、それは、読む人によってかなり違ってくるのでは・・・)
ぼんやりと
桜の轍(わだち)
見送って
あなたを思う
強くなりたい
(轍には「過ぎ去った過去の跡」という意味があるそうです。「あれから何年もたったのに、桜を見上げる私の気持ちは変わらない・・・桜は知っているのかな・・・・頑張らなくちゃ」。私の歌の中では、かなりおとなしめ。パーリィ世代の女性たちにとって、ン十年も昔のときめきを思いださせる懐かしさあふれる清純歌)
愛しくて
息が出来ない
バックミラーに
夢宵桜
にほふがごとく
(「運転する彼の横顔を、こんなにドキドキする気持ちで盗み見したことあったはず・・・」。これも、遠い日の思い出の1ページに記憶している方、多いのでは・・・。もちろん、現在でも経験中・・・の方も・・・いらっしゃるでしょう、が)
さて、次は、セミナー参加者さんたちの歌です。
あの頃は
陽ざしあたたか
今はもう
春風を待ち
刹那に散りゆく
(こちらは、まだ30代の方の歌。別れた恋人と一緒に見た桜。一方、散りゆく桜を見ている今。新しい恋をあたたかな春風を待つような気持ちで描いているのが初初しいですね)
花衣
薄紅色と
青空の
宴狂わす
きっとあの桜
(花衣とは、昔お花見で竿に女の人の衣を通し、宴の席でパーテーションのようにしていたもの。青空に咲く満開の桜のもとで、お酒が入ったのか、ハメをはずし衣を脱ぎ、あでやかに狂乱する女。作歌された方は、とてもこういう“踏み外し”をイメージするようには見えない方。歌はつくってみると、自分でも気が付かない自分が見えてくる・・・その典型例でしょうか)
運命は
千年前の
あの桜
二人の余白
塗りこむために
(こちらは私の1首。樹齢千年の桜を前に、出会ったことを運命と思う若い二人が、自分たちもこのように歴史を重ねていきたいと思う・・・・いつものんびり作るのですが当日一緒に作ってみました☆「運命とか余白という言葉が、歌のスケールを大きくしているようですね。ここが、初心者とは違うところ・・・?」という感想をいただきました☆)
【歌会を終えて・・・参加者感想】
・言葉って面白いな、と思った。短歌なんか自分に作れるのか、最初は心配だったけど、みんなで言葉探しをしていくうちに、なんか閃くものがあった。
・自分でも意外な方向にいったと思う。歌を作ることは、ある意味、自分を見つめることだと感じた。
・歌をつくると、自分をさらけ出さざるをえない。自分発見に役立つかも。
【わたくし瑠璃から】
最近、これまでに作った短歌を整理してみました。読み返すと、そのときの気持ちや状況がつぶさに思いだされ、読んでいて胸がいっぱいになることがたびたび。日記は、あまりに具体的すぎるので、人に読まれると困るときもありますが、和歌にしておけば、自分だけがその時の気持ちを思いだすことができます。作って読んで2度楽しめる『短歌日記』がおすすめです。
今回のように、短い時間の中で歌を作るというのは、私自身も初めて。でも、時間を区切って歌作りに集中するのは、何時間も何日も推敲するのとは、また違ったよさがあるように思いました。私も初心に帰るつもりで、この和歌作り講座をやっていきたいと思います。
お花やパワーストーンのセミナーと違って人がわっと集まるセミナーではないと思います、無理なく長~く続けたいと思います。日本に興味のある方歓迎です!
「大和(やまと)の国は言霊の幸(さき)はふ国」(万葉集より)
日本は言霊(ことだま)の霊力によって幸せがもたらされる国であると、古来から言われています。
つまり、人の口から出る言葉が現状と未来に影響力を持つのです。 何故そうなるのか?
歌会を通して私が伝えていきたいことはそんなことかな。
感じるもの同士が集まって、大和言葉の素晴らしさ、日本の素晴らしさを再確認できる場にしていきたいと思います☆
「飛鳥瑠璃の世界・・・落花流水太茫々」・・・・次回は5月末に予定しています。