~去り難く 花に魅せられ 留まりて
朽ちて抱かれん 蜜蜂の骸(むくろ)~ 酔人やす
~新しい 花に魅かれて 離れゆく あなたのいない 雨の日曜~
まだまだ詠み始めて間もないつたない私の歌に返してくれた歌・・・・
やすさんのコメントはいつも私を励まし、私を導いてくれました。そして・・・・私の本当の心を知っているかのようでした・・・・・私は何度彼のコメントに涙ぐんだことでしょう。
短歌集「永遠に届かぬ愛する人へ」が出版された時ご自身のブログで「私の大好きな華歌人の瑠璃さんが・・・・」と私の本のことを書いてくださいました。その記事を読んだ友達が「まるで自分の大事な娘を自慢してるようね」と言ってくれたのが忘れられません。
去年の今日12日、やすさんは15日恵比寿の個展会場で私と会う約束を心待ちにしながらお酒を飲んでいたそうです。でもその約束は果たされませんでした。彼が急死したとの電話をもらった14日の夜はまるで昨日のことのようです。
~満月に リンデンの花 撒き散らし
幽玄の森 さまよい歩く~
*死を共にしたいと願っていた夫婦が、手を取り合い歩き始めました。次第に夫はオーク、妻は菩提樹(リンデン)に変わっていきました。その後この2種類の樹は相思相愛を象徴する樹となりました。花言葉は・・・・結ばれる愛
お釈迦様の絵に描かれた金色のリンデン(菩提樹)、天井までもあるその絵に心を揺さぶられ詠んだ歌、リンデン(菩提樹)という言葉に引かれ、短歌のブログとは知らずに訪れたやすさん、それが初めての出会いでした。
一度もお会いしたことのない人、私に力を与えてくれた人・・・・
『出会い』とはなんでしょう・・・・・
『縁』とはなんでしょう・・・・
あれから1年。昨日、「永遠に届かぬ愛する人へ」が再版されました。
無名な私の本なのに、きっとやすさんが『縁』のある人の所へ送り届けてくださったんですね。
彼が人生の最後に詠んだ歌が、私の人生、最初の歌集の中で永遠に生きる。
出会いの素晴らしさ、人生の素晴らしさ、そしてとても大きな感謝・・・・
たくさんのことを教えてもらいました。
本を出す時に追加した原稿があります・・・・
『もし前世や来世があるならば想いはつながるはず・・・・琥珀のように悠久の時を経て誰かの胸に揺れるペンダントがあるように、時を越えめぐり会える想いを信じたい。永遠に届かぬ想いを「届く未来」に変えていくために今ここから歩き始めよう・・・・』
やすさんがこの世を去って明日で1年。追加で載せたこの一文はやすさんに捧げます。