テレビ視聴率は、媒体力や広告効果に指標を与えるものとして、さらには、番組制作・番組編成のための
マーケティングデータを与えるものとして深く浸透しているようです。 この視聴率を上げるために、
番組が低俗化したりする・・などと騒がれたことなどもありました。視聴率は番組製作者の評価そのもので、
その世界では大変厳しいものであるようです。
先週土曜日に終了しましたNHK朝ドラ(朝の連続テレビ小説)の「あさが来た」は楽しみに見ていましたが、
“今世紀最高視聴率” という好評価を受けているようです。
4月4日発表の視聴率は、23.5%で、今世紀・・つまり2001年以降では最高視聴率を記録したそうです。
淡路花さじき(ドラマの1シーンで・・)
(淡路花さじきHPより)
テレビの視聴率は、どうやって測定しているのか、我が家ではそのような対象になったためしがない、
本当にやっているのだろうか? など、半信半疑なところもあったりしますが、先ずは、これら視聴率の
“相場?”はどのようなものか、例によってちょっと調べてみたくなりました。
NHK朝ドラは、1961年(昭和36年)からずっと継続する超長期間ドラマですが、この視聴率グラフが
ありましたので、文字が小さくなってすべてを読み取ることはできませんが、テレビ視聴の傾向を見て
いただければ・・と思い掲載しました。
歴代朝ドラ グラフ
(biglobe yama88/asadoraより)
このグラフから、テレビ視聴の傾向として、1985年あたりをピークとして、徐々に低下傾向にあることが分かります。とくに1995年を過ぎると視聴率は往年の半分以下に低迷していることが分かります。
時代の流れ・・で パソコン、スマホ、さらにはライフスタイルそのものの変化によるテレビ離れが進む
ことが示されています。 しかし、視聴率20%を超える番組となると かなり高い範疇にあり、
NHK朝ドラの2001年以降ベスト11は次のようになっています。
NHK朝ドラ2001年以降ベスト11 (ビデオリサーチより抜粋)
1 あさが来た 2015.9.~4 23.5%
2 さくら 2002.4~9 23.3
3 ほんまもん 2001.10~3 22.6
3 花子とアン 2004.3~9 22.6
5 ごちそうさん 2013.9~4 22.4
6 ちゅらさん 2001.4~9 22.2
7 こころ 2003.3~9 21.3
8 マッサン 2015.9~3 21.1
9 まんてん 2002.9~3 20.7
9 梅ちゃん先生 2012.4~12 20.7
11 あまちゃん 2013.4~9 20.6
NHKの朝ドラだけではなく、これまでのすべての番組での“歴代高視聴率ベスト10”では、次のように
なっていました。
スポーツや際立ったニュース、イベントなどが多いですね。 その中で、ドラマ「おしん」は、
歴代6位という高視聴率だったのですね。
歴代視聴率ベスト10 (matome.naver 日本歴代視聴率ベスト10より)
1 第14回NHK紅白歌合戦 1963.12.31 81.4% NHK
2 東京オリンピック女子バレー 1964.10.23 66.8 NHK
3 ワールドカップ日本×ロシア 2002.6.9 66.1 フジ
4 プロレスWWA世界選手権 1963.5.24 64.0(力道山×デストロイヤ)日テレ
5 世界バンタム級タイトルマッチ 1966.5.31 63.7(ファイティング原田×エデル)フジ
6 おしん 1983.11.12 62.9 NHK
7 ワールドカップサッカー’98 1998.6.20 60.9 NHK
8 バンタム級タイトルマッチ 1965.11.30 60.4(ファイティング原田×ラドキン)フジ
9 帰らなかった吉展ちゃん 1965.7.5 59.0 NHK
10ミュンヘンオリンピック(男子バレー) 1972.9.8 58.7 NHK
ところで、この視聴率なる数字は、どのようにして抽出されているか、ご参考までにビデオリサーチ社の
ページから概要を抜き読みしてみました。
<視聴率>
視聴率には、世帯視聴率と個人視聴率があり、一般に視聴率という場合には世帯視聴率のことを言います。
テレビが点いている世帯の率を統計的手法で求めたものです。ビデオ録画はカウントされないのだそうです。
<調査地区>
調査エリアとして、(ビデオリサーチの場合)全国27地区を選定し、 関東、関西、名古屋地区は
各600世帯、その他の地区は各200世帯を選定しています。
<調査世帯>
系統抽出法(ランダムサンプリング手法)により、統計的に計算されています。
例えば、関東地区 を 総世帯数1500万世帯、 調査対象数600世帯 と すれば、
1500万世帯/600=25,000をインターバルとよび、乱数表から最初の世帯を選び、以下、このインターバル
ごとの世帯を選んでゆく。そして、2~3年ですべての世帯が入れ替わるようローテーションを行う。
(関東、関西、名古屋地区は2年間、その他は3年間)
図ローテーションイメージ
(ビデオリサーチHPより)
調査結果には標本誤差がありますが、これは、視聴率と標本数によって決まり、理論的に正規分布となり、
95%信頼度で扱われています。
<調査方法>
対象世帯に対して、以下の3つの調査方法により実施されています。
① ピープルメータ(PM)システムによる調査(関東、関西、名古屋地区)
調査世帯のPMデータを毎朝、ネットにより送信され、それを集計する。視聴率データ提供サービスとして、
テレビ局、広告企業などに提供
② オンラインメータシステムによる調査(その他地区)
調査世帯内のchセンサーにより取得したデータを1分単位で転送し、集計する。提供は、上と同じ。
③ 日記式アンケート調査
専用の調査票により、1週間毎日のテレビチャンネル毎の視聴番組を記入する。3~5週後に提供する。
今流れている朝ドラ「とと姉ちゃん」はどうなるでしょうか?