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乱歩地獄

2005-11-23 17:49:35 | 映画 ラ行
映画館で、出演:浅野忠信/成宮寛貴/松田龍平/岡元夕紀子/緒川たまき/原作:江戸川乱歩/脚本:竹内スグル/薩川昭夫/夢野史郎/カネコアツシ/監督:竹内スグル/実相寺昭雄/佐藤寿保/カネコアツシ/の『乱歩地獄』を観ました。

●ストーリー
江戸川乱歩の原作『火星の運河』『鏡地獄』『芋虫』『蟲』の4作品を、4人の監督が独自の感性で描いたオムニバス作品。

①『火星の運河』
男(浅野忠信)は気が付くと、全裸でどんよりとした雲がどこまでも続く大空と、緑が果てしなく広がる大地にポツンとある小さな沼の前に立っていた。
男が無意識に沼の中を覗き込むと、昔暮らした女と全裸で争い合う姿が映る。

男は終に女の首に手を掛けて締め始める。
その時、沼に映る自分の姿が首を締めている女の姿に変わっていく。

「自分は、一体何者なのか?」
錯乱した男は、もがき苦しみ沼の淵に倒れ込むのだった……。

②『鏡地獄』
鎌倉で行われた茶会に参加した女性達が、次々と顔を焼かれた無残な死体で発見される。

事件の噂を聞きつけた探偵の明智小五郎(浅野忠信)は、事件に和鏡が関係している事を掴み、製造者の斎透(成宮寛貴)に会いに行くのだが、彼はゾッとするほど美しい容姿を持つ青年だった……。

③『芋虫』
戦争で両手、両脚を失う重傷を負った夫の須永中尉(大森南朋)を狭い一室に隠し、献身的に介護を務める妻の時子(岡元夕紀子)。

しかし、時子には夫に虐待を加える事で性的興奮を覚えるもう一つの顔があったのだ……。

④『蟲』
人と触れ合うと湿疹が出るアレルギーを持った柾木愛造(浅野忠信)は、愛する女優・木下芙蓉(緒川たまき)の運転手を務めていた。

芙蓉には、既に恋人がおり、柾木は何度も二人が密会する現場を覗き見しては、満たされぬ思いに悶々としていた。

そんな自分の気持ちを抑えきれなくなった柾木は、花束を抱え、芙蓉の前に現れるのだったが……。

●感想
いや~、スゴイですね江戸川乱歩の世界は!
人間の持つ、エロ、グロ、嫉妬、暴力などの醜い欲望の部分を抉り出すように描かれた映像の数々には、後頭部をいきなり殴られたような、凄まじい衝撃を受けてしまいました!

4作品全てに出演している浅野忠信には、明智小五郎から壊れゆく男まで、幅の広い演技で充分に楽しませてもらい、『鏡地獄』で美しい男を演じた成宮寛貴には、これまでにない新しい魅力を見せてもらい、演技に対する頑張りを感じました。

他には、『芋虫』に出演した岡元夕紀子の身体を張った、美しくてエロチックな演技と、『蟲』に出演した緒川たまきの妖しい魅力で存在感のある演技が印象に残りました。

作品的には、どれも強烈なインパクトが有り、見応えのある出来になっていると思いますが、エロくてグロいシーンがたくさん出て来るので、江戸川乱歩の世界が理解出来ない方には、全く楽しめない内容だと思いますので敢えておすすめ致しません。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

多分、内容からして好き嫌いが、かなり別れる作品だと思います。

私は、これまでに観た事の無い刺激的な映像と、本性を暴かれる様な、エロとグロの魅惑的な世界観に充分満足させてもらいました。

どちらかというと、この作品は、私の様に精神的にどこか壊れている人間が楽しめる内容になっていると思いますので、自分の胸に手を当ててみて「自分はエロとグロが大好きな人間です!」と自信を持って言える方だけに観て欲しいです。

と言う訳で、この作品は、「江戸川乱歩の世界に入ってみたい!」と真剣に考えた事のある方と、恋人とSMプレイで楽しんだ事のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「『芋虫』で須永中尉を演じた「大森南朋」って誰?」って思い、彼の素顔をどうしても見たくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。