その日、悪友Ｉ君はとても不機嫌だった。そして俺も、同じ理由で同じように不機嫌だった。その時の二人の気持ちは、声に出さずとも同じだと理解している。それは「もう、一刻も早く酔っ払いたい!!!!」である。と言うか、実際声に出してた。「早く、早く…」ってもはやアル中の禁断症状みたいだ。だが決してアル中なわけではなく、この嫌な気持ちをすぐさまアルコール消毒したかった、と言うだけの話だ。それをアル中と言うのかどうかは置いといて、その時の俺らは山手線に揺られていた。西荻や高円寺であれば、いつもの店に駆け込むのだが、もうそこまで移動する余裕はない。
「もうダメだ!!ここで降りよう!!」
そこは田端だった。はじめて降りた。やたらとおしゃれなスタバ。マック。高くはないが安くもない中華屋。
ダメだ!!!!!
「あっちの方が明るいよ。あっち側に行って何も無かったらすぐ移動しよう」。そしてあっち側に行ったら気持ちいいくらいに何もなく、0.5秒でＩ君は「よし、行こう!!」と、すばらしいまわれ右を見せてくれた。歩いている時も、もう不機嫌マックスな俺らは「うぅ…ぐ、ふぐ、んぐ」と、おさえきれぬ怒りともどかしさが口から漏れ出してくる。もう一度言うが、決してアル中じゃない。と思う。再び山手線に乗り込み、Ｉ君は「そう言えば巣鴨に、そんなに高くなくて美味しい沖縄居酒屋がある!!!!!」と言うので、今度は巣鴨で降りた。つまりすぐ降りた。２駅で降りた。Ｉ君に連れられるままに俺はその店に向かった。そして「ここだ」とＩ君が言うが早いかすぐにドアを開けて、店員の「いらっしゃいませー」も待たずに、空いてる席を探して店内をウロウロする。マックス不審者である。女性店員は完全引き気味で「に、二名様ですか？」と聞いてきて、俺らをカウンター席に案内してくれた。とりあえず席に着いた事で少しだけ気持ちも落ち着き、ホッと一息ついたら、Ｉ君が一言
「み、店が変わってる」
落ち着いて店内を見回し、メニューもよくよく見てみると、一切沖縄感が無い。普通の串焼屋だった。Ｉ君がこの店に来たのが何年も前らしく、店が変わっていたのだ。また串焼だ。どうやら俺は串焼の呪いにかかっているらしい。串焼の呪縛から逃れられない。そして特に逃れたくもないので問題はない。かろうじて木彫りシーサーなどが、名残り感満載な感じで端の方にチョコンと置かれているが、どうしたって普通の串焼屋だった。そこで、別に珍しくもない串焼を食べ、「びっくりレバニラ炒め」に特にびっくりもせず、何と言うか、うん、「女性店員さんが可愛い」というだけの店だった。ただああいう店の女性店員は、気持ちがいいくらいに気持ちがない。
そんなわけで十分に楽しめず、2軒目に行くことに。だけどここは巣鴨である。Ｉ君が知っていたのは唯一その沖縄居酒屋だけで、結果店が変わっていた。つまりその時、俺らは迷子だった。駅前まで戻ってきた俺らは「ここだね」「ですね」と、日高屋に入った。Ｉ君とは、何度か日高屋で飲む事があるが、それは決して「日高屋に行こう!!」となるわけではなく、結果「行っちゃう」というのが常である。ただ日高屋の良いところとしては、絶対に期待を裏切らないところだ。そもそもそんなに期待しないから。でも何だろうね、その日、日高屋に入った時、妙に落ち着いたのね。なんか安心したのね。そこでまぜそばやら冷麺やらを食べて店を出る。その日の結論としては「日高屋でいいな」という事だった。日高屋に助けられた日でした。
食べる前に撮れば良かった残念ショット。
そして、あんなに不機嫌だったはずのＩ君も日高屋に助けられてこの表情。
「もうダメだ!!ここで降りよう!!」
そこは田端だった。はじめて降りた。やたらとおしゃれなスタバ。マック。高くはないが安くもない中華屋。
ダメだ!!!!!
「あっちの方が明るいよ。あっち側に行って何も無かったらすぐ移動しよう」。そしてあっち側に行ったら気持ちいいくらいに何もなく、0.5秒でＩ君は「よし、行こう!!」と、すばらしいまわれ右を見せてくれた。歩いている時も、もう不機嫌マックスな俺らは「うぅ…ぐ、ふぐ、んぐ」と、おさえきれぬ怒りともどかしさが口から漏れ出してくる。もう一度言うが、決してアル中じゃない。と思う。再び山手線に乗り込み、Ｉ君は「そう言えば巣鴨に、そんなに高くなくて美味しい沖縄居酒屋がある!!!!!」と言うので、今度は巣鴨で降りた。つまりすぐ降りた。２駅で降りた。Ｉ君に連れられるままに俺はその店に向かった。そして「ここだ」とＩ君が言うが早いかすぐにドアを開けて、店員の「いらっしゃいませー」も待たずに、空いてる席を探して店内をウロウロする。マックス不審者である。女性店員は完全引き気味で「に、二名様ですか？」と聞いてきて、俺らをカウンター席に案内してくれた。とりあえず席に着いた事で少しだけ気持ちも落ち着き、ホッと一息ついたら、Ｉ君が一言
「み、店が変わってる」
落ち着いて店内を見回し、メニューもよくよく見てみると、一切沖縄感が無い。普通の串焼屋だった。Ｉ君がこの店に来たのが何年も前らしく、店が変わっていたのだ。また串焼だ。どうやら俺は串焼の呪いにかかっているらしい。串焼の呪縛から逃れられない。そして特に逃れたくもないので問題はない。かろうじて木彫りシーサーなどが、名残り感満載な感じで端の方にチョコンと置かれているが、どうしたって普通の串焼屋だった。そこで、別に珍しくもない串焼を食べ、「びっくりレバニラ炒め」に特にびっくりもせず、何と言うか、うん、「女性店員さんが可愛い」というだけの店だった。ただああいう店の女性店員は、気持ちがいいくらいに気持ちがない。
そんなわけで十分に楽しめず、2軒目に行くことに。だけどここは巣鴨である。Ｉ君が知っていたのは唯一その沖縄居酒屋だけで、結果店が変わっていた。つまりその時、俺らは迷子だった。駅前まで戻ってきた俺らは「ここだね」「ですね」と、日高屋に入った。Ｉ君とは、何度か日高屋で飲む事があるが、それは決して「日高屋に行こう!!」となるわけではなく、結果「行っちゃう」というのが常である。ただ日高屋の良いところとしては、絶対に期待を裏切らないところだ。そもそもそんなに期待しないから。でも何だろうね、その日、日高屋に入った時、妙に落ち着いたのね。なんか安心したのね。そこでまぜそばやら冷麺やらを食べて店を出る。その日の結論としては「日高屋でいいな」という事だった。日高屋に助けられた日でした。
食べる前に撮れば良かった残念ショット。
そして、あんなに不機嫌だったはずのＩ君も日高屋に助けられてこの表情。
