Ribbon cafeブログ

中味はコテコテの喫茶店でござります。

映画 『精神』 を観た

2009-08-13 17:28:02 | 映画

Photo_3   『精神』を観た。気がつくと涙が出ていた。

悲しいわけでもなく、ひどく心を揺さぶられた・・というのとも違う。

「魂が浄化された」、たいそうな言い方をすればそういう感じだった。

岡山の精神科診療所の毎日と患者さんたちの

インタビューが映し出されるだけの映画である。

ナレーションも音楽もなし。患者さんたちの顔もすべて出ている。

実は十日町シネマパラダイスでの上映は明日まで。

週間の上映期間になんとか間に合って観に行って本当に良かった。これからまた全国で上映される予定。

いつかまた機会があったらぜひ観たい映画である。

話は変わるが、最近よく聴いている、嵐の『明日の記憶』という歌がある。

「傷つき壊れた昨日が過ちだったとしても手遅れではないから 何度も初めからやり直してゆけばいい・・」この歌詞を聴くたびに励まされる気がする。

車の中でこの歌を聴いていると涙腺がゆるむ。

「めぐりめぐる時代の途中で何度 人を好きになれるのだろう?」

本当にそうだな、と思う。

最近人を好きになっているだろうか?

う~ん・・・。つづく。

*写真は十日町中平集落の芸術作品「こころの花」です。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大地の芸術祭・・・その2

2009-08-07 11:33:59 | 与太話

Photo 桐山は遠かった。

松代からどんどん奥に入り、車がすれ違うのは厳しい山道を奥に入って行く。

急に広い道路が現れ左手には美しい棚田がはるか眼下に見える。

地元にいながらこの芸術祭がなければたぶん一生来ることはなかったと思う。

さらに車を走らせるとぽつんぽつんと家が見えてくる。

その昔、ここに集落を構えた先人の苦労を思う。

今でも、冬の買い物は大丈夫なのか、お年寄りはどうしているのかと考えてしまうほど奥まった土地である。


横浜の建築ユニット「みかんぐみ」が再生させた空家を訪れた。

愛想のいい若いお兄さんたちのもてなしに満足。

風の通る明るい家の中、外には小さなプールもある。「こんな家に住みたいねぇ」

帰り道、先ほどの棚田の景色を見るために車を降りた。

丁度トンビが上昇気流に乗ってゆっくりと空を飛んでいる。

結構近くまできたので、私は「さあ、来い!」とタカ匠のように右腕を突き出した。

トンビは何の関心も示さず遠くの空へ。

来られても困るけどね。


自然の中に無機質な現代アートを登場させたり、カラフルな造形物が置かれることに実は抵抗があった。

自然は自然のままでいいじゃないか、とも思う。

でもたった1日だったが、現地に足を運んで少し考えが変わった。

行って作品を見ることだけが目的ではない。

そこに行くまでの道のりと景色を味わい、初めて訪れる土地の人々の暮らしを思うことが大切なのだと。


お店に戻り3人で今日のあれこれを話しながら美味しいコーヒーを飲んでいると母から電話。

「今日の夕飯、どうしゃんだい?イワシ、どうしゃんだい?」

芸術から夕飯に引き戻され、イワシの甘露煮を作り今日の休日は終わりとなった。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大地の芸術祭…その1

2009-08-05 19:08:52 | 与太話

Photo_2 昨日はお店の定休日なので

スタッフ2人と大地の芸術祭へ。

前回の芸術祭はすべての作品を見た!という

つわものスタッフの案内で私は観光客の気分。

「みんな見ると何か貰えるの?」

「何も貰えません。(きっぱり)」

「ふーん・・・」

じっくり見たら1日かけても数作品を回るのがやっと。

そこで今回は鉢と桐山、松代あたりに絞ってまわることにした。
最初は鉢の「絵本と木の実の美術館」へ。

閉校した小学校全体が美術館となって生まれ変わった。

田島征三氏の絵本が現実の世界に飛び出して校舎いっぱいにあふれ出している。

その色づかいと校舎の木の温かさとが相まってすばらしい美術館になっていた。

cafeも校内にオープンしていた。

おいしいランチをいただき満足満足。

鉢の地域のみなさんが一緒になって、「おらが小学校をみてくれ」という気持ちが伝わる。


教室の黒板には最後の在校生達の落書きがそのまま残されている。

「ありがとう、さよなら真田小学校」

学校としての役目は終わったが、新たな命がやどり蘇ったのだ。

とても温かい気持ちになり次の作品へレッツゴー!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いち君の一大事

2009-08-03 15:31:27 | ねこ話

Photo_2 我が家の飼い猫、いち君。

バス通りで停留所の人たちの足元でじゃれて、

ウニャウニャ鳴いていたのを保護した猫だ。

そのときすでに片目は失明していて、

(このまま野良猫させるには厳しいな~)と連れて帰ったのが今から7年近く前になる。

性格が非常に温厚で情があって私が猫なら嫁になるところだ。

身体が大きくて今6キロある。

1日2回決まった量のフードをあげるのみなので、なぜこんなに大きくなったのか謎なのだ。

夜中にこっそり冷蔵庫をあけて夕飯の残りを食べているのかも知れないと疑いをかけたくなるほどによく育った。
しかしこのいち君。歯周病がひどく最近ではキャットフードもやっと食べている。

気にはなりながらも6キロの巨体をつかまえて病院に連れていくのを躊躇していた。

ところが先日他の猫に目をひっかかれてようやく病院へ。

ついでに口の中を見てもらったらかなりの重症で抜歯をすることになった

麻酔をするので手術日は絶食になる。

他の猫たちにごはんをあげて、いち君だけあげないということは心情的にかわいそうでできず、3匹とも絶食とした。ごめんよ~。

いち君をキャリーバックにやっといれて出かけた。

その顛末を見ていたメス猫のすず、いち君が気になって落ち着かなかったらしい。

私が病院にいちを連れて出かけたあと、母がほかの2匹に朝ご飯を与えた。

「あの食いしん坊のすずが、戸口をずーとみてなかなかごはんをたべなかったんだ・・・1口食べてはじっと戸の方を見ていてねえ。」母の眼には涙がたまっていた。

「猫でさえもこんなに情があるんだねえ~」動物に教えられることは多い。

私もその話を聞いてグッとくるものがあった。

ところでいち君、今はすこぶる元気で、ほかの猫のご飯を横取りしている。
いい猫だったはずなのに。。。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カプチーノ下さい

2009-08-02 19:14:04 | お店の話

Photo 芸術の秋ならぬ、夏である。

十日町は大地の芸術祭が開かれている。

越後妻有アートトリエンナーレ2009として

里山に現代アートが370点、40の国と地域からアーティストが参加している。

Ribbon cafeにもこの数日、毎日外国人のお客様がお見えになる。

ほぼ同じ顔ぶれでカプチーノのオーダー。

カッコよく一度に作りたいものの、器具の制約と技術のつたなさで1杯ずつ作ってはしずしずと運ぶのだ。

彼らは日本語ができず、私は英語ができず。。。

話していることは何となくわかるけど、スピーキングができないのだ。

でも何とかなるものです。

最初はガイドブック片手に男性が「オカンジョウ、オネガイシマス」とたどたどしい日本語で話されていた。

先日は6名でご来店され、いつもの彼が何も持たずに「お会計、オネガイシマス」ときっちりと発音された。他のメンバーは拍手喝采だった。

毎日日本語を習得されているようだ。

彼らは店内に入ってくるときは軽く会釈をし「コンニチワ」と挨拶され、とても礼儀正しくコーヒータイムを楽しんでいる。


私はホントはいろんなことを聞いてみたいのだ。

どこの国から来て、どんな作品を作っているのか(たぶん彼らはアーティストと思われる)、

いつまで滞在しているのか、この町の印象はどうなのか・・・などなど。

しかし私は黙々とカプチーノを作り、「まいどありがとうござます」とお時儀をするだけなのだ。

心の中では「毎日カプチーノおかわりしてくれてありがとね。」とつぶやいているのですけどね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする