昨日は 柳家花緑独演会へ行った。
歩いて5分の文化ホールにて。
もちろん生の花緑さんの落語も久しぶりで楽しみだったけれど
お目当ては、ゲストの松尾貴史、キッチュですね。
この方、大好きでして、特に声が素敵です。
兵庫出身なので、上方落語「はてなの茶碗」がなんとも耳に心地良くって
ずっと聴いていたかった。
そして
花緑さんは、一席目が「親子酒」酔っ払いぶりが大袈裟でくすくす笑える。
2席目の「中村仲蔵」素晴らしかった。
後半どんどん引き込まれていく。
伯山さん(講談)の中村仲蔵も良かったけれど、
映画「国宝」を枕で入れての、途中、解説を挟みながら、
置いていかれるお客様がないように配慮しながら。
伝統芸能における血筋というのは、
周りで見ているものには想像し難い苦悩がある。
花緑さんも五代目小さんの孫という「血筋」に
良くも悪くもとらわれた時期もあっただろう。
いつだったかEテレで花緑さんご自身が自分は識字障害がある
ということをおっしゃっていた。
小学校の通知表はほとんどが「1」で字を読むことに大変苦労されたという。
発達障害であることを認識したのは40歳。
ほっとした、ようやく自信を取り戻せたと。
前座の時は字がわからなくて本当に苦労されたと
どこかのインタビューで答えていた。
Eテレ番組がきっかけでそれまでは、
「小さんの孫で、ボンボンで、信じられないくらい早くに出世をした人」
ということで見ていたけれど認識を改めた。
血筋もあり、才能もあり、相当な努力の人、であると。
だから、またこの地に落語をしに来てね。