Ribbon cafeブログ

中味はコテコテの喫茶店でござります。

よねの事

2009-08-24 13:14:00 | ねこ話

Photo_2 よねが私のところに来たのは13歳の時。

前の飼い主が若い猫だけ連れて引っ越していき、

よねは原っぱに捨てられた。

猫の保護をしている人たちが半年外で面倒を見ていたが、

ほかの若い猫にいじめられているのと、夏の暑さのために弱っていたので次の飼い主を探していた。


いくつかの事情が重なって、当時横浜にいたわたしのところにやってきた。

早乙女太一のような流し眼が印象的で、妖艶な熟女の風情だった。

しかしその毛並みはざらざらで半年の苦労がしのばれた。

ばあさん猫のせいか歯が1本もない。

甘えるときはその口でフガフガとわたしの指をくわえる。

そんなこんなで我が家でほかの猫2匹とそれなりに暮らしていた。


ところで帰郷の際、猫の数は「1匹」と父に嘘の申告をしていた。

母は動物好きだがオードーリー父はいまひとつ。

だから犬2匹、猫3匹、熱帯魚15匹を抱えての隠密のような引越しは今思い出してもめまいがする。

2~3日は何事もなく過ぎた。

しかしある日父が猫部屋に突然入ってきたのだ。

そこには1匹のはずの猫が3匹いた。

「あっ・・・」と思った時、よねが父のそばに行き膝の上に乗りすりすりした。

「・・もう・・これ以上増やすなよ」父はよねをひと撫ぜしそれ以上何も言わなかった。

よねはいろんな事がわかっていたのだと思う。


十日町で半年を過ごし、よねは天国へ旅立った。

死ぬ2週間前からほとんど何も食べなくなり身体はぺッタンコになり寝たきりとなった。

最後の数日はわたしのお腹の上にのせて一緒に過ごすことが多かった。

そして去年の8月24日、静かに静かに旅立った。

16歳の大往生だった。

コメント (2)
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