バス通りで停留所の人たちの足元でじゃれて、
ウニャウニャ鳴いていたのを保護した猫だ。
そのときすでに片目は失明していて、
(このまま野良猫させるには厳しいな~)と連れて帰ったのが今から7年近く前になる。
性格が非常に温厚で情があって私が猫なら嫁になるところだ。
身体が大きくて今6キロある。
1日2回決まった量のフードをあげるのみなので、なぜこんなに大きくなったのか謎なのだ。
夜中にこっそり冷蔵庫をあけて夕飯の残りを食べているのかも知れないと疑いをかけたくなるほどによく育った。
しかしこのいち君。歯周病がひどく最近ではキャットフードもやっと食べている。
気にはなりながらも6キロの巨体をつかまえて病院に連れていくのを躊躇していた。
ところが先日他の猫に目をひっかかれてようやく病院へ。
ついでに口の中を見てもらったらかなりの重症で抜歯をすることになった。
麻酔をするので手術日は絶食になる。
他の猫たちにごはんをあげて、いち君だけあげないということは心情的にかわいそうでできず、3匹とも絶食とした。ごめんよ~。
いち君をキャリーバックにやっといれて出かけた。
その顛末を見ていたメス猫のすず、いち君が気になって落ち着かなかったらしい。
私が病院にいちを連れて出かけたあと、母がほかの2匹に朝ご飯を与えた。
「あの食いしん坊のすずが、戸口をずーとみてなかなかごはんをたべなかったんだ・・・1口食べてはじっと戸の方を見ていてねえ。」母の眼には涙がたまっていた。
「猫でさえもこんなに情があるんだねえ~」動物に教えられることは多い。
私もその話を聞いてグッとくるものがあった。
ところでいち君、今はすこぶる元気で、ほかの猫のご飯を横取りしている。
いい猫だったはずなのに。。。