新潟県中越地震から今日で10年。
あの時私は横浜の小さな駅で電車を待っていた。
小さな揺れを感じたが
自宅に戻ってテレビをつけるまで何も知らなかった。
父親の消息が分かったのは翌日の昼過ぎだった。
震源地近くの町で回転ずしを食べていたという。
道路が陥没して遠回りをして
車中泊をしてようやく帰ってこれたという。
あの時近所の人達に抱きかかえられて
避難した祖母はあれから天寿をまっとうした。
10年というのはそういう時間なんだ。
池澤夏樹氏のこの本は
東日本の震災について書かれたものだ。
何度も同じところを読み返す。
ブィスワヴァ・シンボルスカの「眺めとの別れ」が書かれたところ
「またやって来たからといって
春を恨んだりしない
例年のように自分の義務を
果たしているからといって
春を責めたりはしない
わかっている わたしがいくら悲しくても
そのせいで緑の萌えるのが止まったりはしないと・・・・」
震災後 この詩が頭の中で響いている
と 池澤夏樹さんは書いていた。
120ページほどのすぐに読める本ですが
何度も情報館で借りました。
結局買いました。
表紙を眺め、手にとって、また少し読みます。
たぶんこれからもそうするんだと思います。