炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

アフリカ起源の作物 ユウガオ ヒョウタン  その三

2006-04-17 | アジア・太平洋地域
 前回、ユウガオ類の種子が食用になることに触れました。インド~東南アジアでは、種子を水に浸しつぶしてから布で絞り、豆乳状の搾り汁から、豆腐状の食品を作るそうです。ヒョウタンの種子には、たんぱく質と脂肪が多く含まれ、栄養食品として用いられています。

 福井県の鳥浜貝塚など縄文時代の遺跡から、ヒョウタンの殻はたくさん見つかってますが、種はあまり多く見つかっていないといいます.(藤下典之 1982年)
縄文時代の人々も、貴重な蛋白源として、食料の少ない冬場などに、ヒョウタンの種子からつくった「豆腐」で鍋を囲んでいたのかも知れませんね(^^)。私も試しに、普通のヒョウタンの種子を食べてみました。くるみなどのナッツのお味で苦味は無く、とても美味しいではありませんか。ちなみにヒョウタンの花言葉は、「繁栄・夢」。種子が多く、子沢山の象徴になっているようです。

 鳥浜貝塚での縄文時代の植物種子の調査方法は、各土層から200グラムづつのサンプル土を採取して、水選別したとのことです。栽培植物の種子としては、南方系の「リョクトウ」、「イヌホオズキ(要アク抜き技術)」、「カラムシ (繊維)」の他に、寒冷地起源と考えられる「エゴマ」、「シソ」、「牛蒡(ゴボウ)」などが、わずか6kgほどのサンプル土の中から見つかっています。当時は、海面が急速に上昇している時期で、気候も不安定で、激しい寒暖の差があったのでしょう。寒くても暑くても耐えられる作物を栽培していたようです。
 
 縄文人の故郷は、南シナ海-トンキン湾-東シナ海の大陸棚にあったと考えられています。現在は海の底ですが、氷河時代は今よりも海面が140mほど低く、この一帯は当時、広大な平原をなしていたようです。海面の上昇とともに、暖かくなった日本列島にも、海を渡ってやって来たことが、DNAの研究から判っています。


中川久夫「第四紀研究」5(3-4)1966.
 

アジアの人々の共通の歴史をみんなで一緒に考える事で、平和な社会を目指してほしいものですね。


ご参考:   藤下典之   「古文化財」 1982年.
エゴマ:           農林水産省農業研究センター
リョクトウの祖先野生種: 農業生物資源ジーンバンク

・拙ブログ:
ヒョウタン ユウガオ
作ってみました. 食用ヒョウタン=夕顔

注意:本記事の内容を「市民団体」装った、もぐり観光旅行業のセミナー等で利用する事を禁ずる。



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