伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

【改訂版】歌謡曲黄金時代と夜のヒットスタジオ-曲目リスト(25) 1972年11~12月

2008-04-10 | 夜ヒット/曲目(改訂・増補版) 71~72年

<1972年11月6日(第210回)>
・若者たち 森田健作
 詞:藤田敏雄 曲:佐藤 勝 R:1972/10/25 HC:21位
 ※フジテレビ系ドラマ「あしたに駆けろ!」挿入歌。1966年発表のザ・ブロードサイド・フォーのヒット曲のカバー。
・白いラブレター 布施 明
 詞:山上路夫 曲:平尾昌晃 R:1972/09/10 HC:49位
・孤独 和田アキ子
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/09/25 HC:43位
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(3回)
折鶴 千葉紘子
 詞:安井かずみ 曲:浜 圭介 R:1972/08/25 HC:9位
・クラップ・ユア・ハンド 坂本 九
 詞:なかにし礼 曲:服部克久 R:1972/12/01 
 ※「世界歌謡祭」テーマソング。

<1972年11月13日(第211回)>
・冬の宿 北島三郎
 詞:星野哲郎 曲:紫しずか R:1972/11/20 HC:100位
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(10回、白組トリ)
・あなたに賭ける 尾崎紀世彦
 詞:阿久 悠 曲:筒美京平 R:1972/10/25 HC:16位
漁火恋唄 小柳ルミ子
 詞:山上路夫 曲:平尾昌晃 R:1972/11/10 HC:3位
 ◆年間チャート(73年)21位(36.4万枚)
 ◆第24回(1973年)NHK紅白歌合戦出場曲(3回)
そして神戸 内山田洋とクールファイブ
 詞:千家和也 曲:浜 圭介 R:1972/11/25 HC:6位
 ◆年間チャート(73年)32位(30.2万枚)
 ◆第15回(1973年)日本レコード大賞作曲賞受賞曲
 ◆第6回(1973年)日本有線大賞受賞曲
 ◆第42回・第46回・第55回・第58回(1991年・1995年・2004年・2007年)NHK紅白歌合戦出場曲(前川清ソロでの出場、初・5回・14回・17回<前川清&クールファイブとして実際には出演>)
 ※1995年の阪神・淡路大震災の際に死者への「鎮魂歌」、復興へ向けての「応援歌」という意味合から再注目され、1995年の紅白では視聴者から「この曲をトリに」という要望が多く寄せられたといわれている。

<1972年11月20日(第212回)>
同級生 森 昌子
 詞:阿久 悠 曲:遠藤 実 R:1972/10/05 HC:4位
・秘密 鶴岡雅義と東京ロマンチカ
 詞:千野豊彦 曲:鶴岡雅義 R:1972/11/10 HC:17位
じんじんさせて 山本リンダ
 詞:阿久 悠 曲:都倉俊一 R:1972/11/25 HC:10位
 ◆第15回(1973年)日本レコード大賞作詩賞受賞曲 

<1972年11月27日(第213回)>
・りんどうの花 由紀さおり 
 詞:岩谷時子 曲:いずみたく R:1972/11/05 HC:64位
・悪い噂 矢吹 健
 詞:千家和也 曲:三木たかし R:1972/11/- 
・君は今青春 グラスロード
 詞:有馬三恵子 曲:葵まさひこ R:1972/11/-
 ※フジテレビ系ドラマ「泣くな青春」主題歌。同曲を作曲した葵まさひこは71年にCMソングとしてヒットした「ふり向かないで」で知られるコーラスグループ「ハニー・ナイツ」のリーダー。
・生まれかわれるものならば いしだあゆみ
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/11/10 HC:43位
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(4回)
・緑の太陽 山口いづみ
 詞:安井かずみ 曲:鈴木邦彦 R:1972/08/25

<1972年12月4日(第214回)>
・心意気だよ 村田英雄 R:1972/11/-
ふたりの日曜日 天地真理
 詞:山上路夫 曲:平尾昌晃 R:1972/12/05 HC:3位
 ◆年間チャート(73年)13位(44.7万枚)
 ※オリコン週間チャートでは、ぴんからトリオの「女のみち」に加え、ちあきなおみの「喝采」がレコード大賞受賞をきっかけに大ヒットしたことから、この時期の天地のシングルでは珍しく最高位は3位止まりであった。
・愛の挽歌 つなき&みどり
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/12/01 HC:15位
 ※「つなき&みどり」は元ブルーコメッツの三原綱木と1960年代前半に「パイナップル・プリンセス」など洋楽ポップスのカバーで人気を博した田代みどりによる夫婦デュオ。わずか2年弱で離婚し同時にデュオも解消となった。
・チャンスは一度 西城秀樹
 詞:たかたかし 曲:鈴木邦彦 R:1972/11/25 HC:20位
 ※番組出演回数第3位の記録(187回出演)を誇る西城秀樹のヒットスタジオ初登場曲。デビュー曲「恋する季節」(72年3月)、2作目「恋の約束」(72年7月)はヒットスタジオ未披露。

<1972年12月11日(第215回)>
・「さようなら」の世界 森山良子
 詞:及川恒平 曲:小室 等 R:1972/10/25
・日本列島・みなと町 青江三奈
 詞:吉川静夫 曲:渡久地政信 R:1972/10/05 HC:39位
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(6回)
・潮風の吹く町 森田由美恵
 詞:なかにし礼 曲:浜 圭介 R:1972/11/05 HC:36位

<1972年12月18日(第216回)>
・嵐を呼ぶ女 大信田礼子
 詞:山口あかり 曲:平尾昌晃 R:1972/10/21
あなたの灯 五木ひろし 
 詞:山口洋子 曲:平尾昌晃 R:1972/12/05 HC:5位
 ◆年間チャート(73年)23位(34.1万枚)
 ◆第6回(1973年)日本有線大賞歌唱賞受賞曲

・バス・ストップ 平 浩二
 詞:千家和也 曲:葵まさひこ R:1972/09/01 HC:11位
 ※元々は南沙織の新曲として用意された楽曲であったが、別の楽曲を新譜として発表することになったため、テイチクにこの曲の企画が持ち込まれ、当時ヒットに恵まれていなかった平浩二が歌うことになったと伝えられている。
あなたへの愛 沢田研二
 詞:安井かずみ 曲:加瀬邦彦 R:1973/01/01 HC:6位
 ◆年間チャート(73年)48位(22.5万枚)

<1972年12月25日(第217回)>
・恋人形 牧村三枝子
 詞:山田孝雄 曲:柳田光義 R:1972/12/05 HC:84位
小さな体験 郷ひろみ
 詞:岩谷時子 曲:筒美京平 R:1972/11/01 HC:4位
 ◆年間チャート(73年)30位(30.4万枚)
 ◆第6回(1973年)日本有線大賞大衆賞受賞曲 

 ※郷ひろみのヒットスタジオ初登場曲。デビュー曲「男の子女の子」は、ヒットスタジオでは(オープニングメドレーを除くと)1987年のマンスリー時にメドレーの中で歌ったのみでフルコーラスでは披露していない。意外ジャニーズ事務所所属の時代(1972~1975年)は、夜遅くの生番組への出演に同事務所が消極的な方針であったことから、基本的には1曲につき1回程度しか出演しておらず、同じく「新御三家」の野口五郎、西城秀樹に比べて出演頻度は多くなかった。
女のみち 宮史郎とぴんからトリオ
 詞:宮 史郎 曲:並木ひろし R:1972/05/10 
 HC:1位(1972/10/30-1973/02/12)
 ◆年間チャート(72年)1位(138.2万枚)、同(73年)1位(181.1万枚
 ◆第6回(1973年)日本有線大賞特別賞受賞曲
 ◆第5回(1972年)全日本有線放送大賞(夜のレコード大賞)銀賞・第6回(1973年)同大賞受賞曲
(※尚、1971~1976年までは「大賞」という呼称ではなく「金賞」の呼称が使用されている) 
 ◆第24回(1973年)NHK紅白歌合戦出場曲
(初、但し「ぴんから兄弟」名義での出演)
 ※もともとはコミックバンドとして売っていたぴんからトリオの結成10年を記念して企画された作品。当初は300枚のみを自主制作し、各地の有線放送に売り込んだところ反響が大きかったことから、急遽日本コロムビアから正規のレコード盤として発表され、瞬く間に大ヒット。最終的には(オリコン発足後に発売された)全シングルレコード・CD売上枚数で歴代2位となる325.6万枚(オリコン調べによる累計売上枚数)という驚異的な記録を残し、日本の歌謡史に大金字塔を打ち立てた。また、72年・73年と2年連続でオリコン年間チャートで1位を記録したのも歴代の全シングル中でこの曲のみである。
 ※上記のような爆発的なヒットから1973年の紅白歌合戦でも早々から出場当確と目されていたが、この曲の印税収入を巡る不満からリーダーであり同曲の作曲者でもある並木ひろしが脱退。金銭問題に関するトラブルであったため、当時の紅白出場者選考に当たって重視されていた「純潔主義」という点から出場が見送られるのでは、と噂されたが、最終的には「ぴんから兄弟」としてこの曲を引っさげて紅白には出場することとなった。
喝采 ちあきなおみ
 詞:吉田 旺 曲:中村泰士 R:1972/09/10 HC:2位
 ◆年間チャート(73年)4位(62.6万枚)
 ◆第14回(1972年)日本レコード大賞受賞曲
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(3回)
 ※11月にオリコン週間チャートで初めてベストテン入り(7位)して以降、年末にかけて同チャート2位の位置を維持。72年のレコード大賞では、11月の日本歌謡大賞も受賞し、レコード大賞でも本命と目されていた小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」と熾烈な大賞争いを演じた末、ヒットの真っ只中にあった「喝采」に軍配が上がった。
 ※発売当初はちあきの実体験に基にして企画した「私小説歌謡」として売り出されたが、実際はその逆で、ちあきの実体験に関係なく作詞は予め用意されており、後になって、ちあきにもこの歌詞の内容に近い経験があったことが判明したことから「私小説」なる触れ込みが付け加えられたのが真相であるといわれている。

【司会】前田武彦・芳村真理


(参考)この頃の主な出来事
・11/02 北海道の石狩炭鉱でガス爆発による落盤事故発生。作業員31人が生き埋めにより死亡。
・11/05 上野動物園で10月28日に来日したジャイアントパンダ「ランラン」「カンカン」の一般公開が行われる。
・11/06 日本航空機が静岡・浜松上空でハイジャックされる。事件発生から約8時間後に犯人の身柄確保。乗客は全員無事に保護された(このハイジャックされら日航機には歌手の江利チエミ、三田明も搭乗していた)。
・11/06 大阪発青森行の急行「きたぐに」内で北陸トンネル(福井)通過中に火災発生、深夜に発生した事故であるため、乗客のほとんどが就寝中であった上、停電のため辺りが暗闇でまったく見えないという悪条件が重なり、被害が拡大(30人死亡、719人重軽傷)。
・11/08 早稲田大学構内で革マル派による早大生のリンチ殺人事件発生。
・11/13 1938年に恋人であった演出家の杉本良吉とソ連に亡命した女優・岡田嘉子が34年ぶりに一時帰国。
・11/13 田中角栄首相、日中国交正常化による日中友好ムードを背景として、衆議院を解散。選挙戦では主に田中内閣の掲げる「列島改造」の是非が争われる。12月10日に第33回衆議院議員総選挙施行。結果は自民敗北、野党では社会・共産が議席が増やした。
・11/16 第3回日本歌謡大賞に小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」。
・11/28 東京発モスクワ行きの日航DC-8型機が、モスクワのシェレメーチエヴォ空港に着陸直後に墜落・炎上。乗員乗客のうち62人が死亡したが、14人が奇跡的に救出、一命を取り留めた。
・12/08 東京・内幸町のNHK旧放送会館の公開指名競争入札で三菱地所へ354億円で売却決定。翌1973年よりNHKは東京・渋谷の現放送センターからの放送体制に完全に移行。
・12/16 横浜市営地下鉄1号線が開業。
・12/20 1952年に発生した「高田事件」で最高裁は不当な裁判遅延を違憲と認め被告28名全員を免訴とする判決を下す。
・12/22 ニカラグア共和国にてM.6.25の大地震起き、1万2,000人以上の死者を出す大惨事に。
・12/28 厚生省(現・厚生労働省)、この1年の出生児数が205万7,000人に達するとの統計結果発表。1940年代後半~1950年代初頭に続く戦後第2のベビーブームが到来。
・12/31 各銀行で初の大晦日休業が実施される。
・12/31 第14回日本レコード大賞にちあきなおみ「喝采」。最優秀歌唱賞は和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」、最優秀新人賞は麻丘めぐみ「芽ばえ」。



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