伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

【改訂版】歌謡曲黄金時代と夜のヒットスタジオ-曲目リスト(21) 1972年3~4月

2008-04-05 | 夜ヒット/曲目(改訂・増補版) 71~72年
<1972年3月6日(第175回)>
・リオの女 ザ・ピーナッツ
 詞:橋本 淳 曲:中村泰士 R:1972/03/- HC:91位
・札幌のあのひと 英 亜里
 詞:山上路夫 曲:すぎやまこういち R:1972/01/-
・波止場 北島三郎
 詞:星野哲郎 曲:市川昭介 R:1972/03/25 HC:91位
・愛の架け橋 ヒデとロザンナ
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/01/10 HC:25位

<1972年3月13日(第176回)>
・友だちならば トワ・エ・モア
 詞:山上路夫 曲:川口 真 R:1972/02/05
・うらぎりの町 美川憲一
 詞:西沢 爽 曲:米山正夫 R:1972/03/10 HC:66位
北国行きで 朱里エイコ
 詞:山上路夫 曲:鈴木邦彦 R:1972/01/25 HC:6位
 ◆年間チャート(72年)26位(35.9万枚)
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(初)

 ※64年、「田辺エイ子」の芸名で「ブルー・ポニー」でデビュー。同年秋に単身渡米し、ボブ・アルシルバーに師事、エンターテイメントの本場、ラスベガスを中心にレビューショーに出演するなど、米国での活動を2年続けたのち、1966年に帰国。翌67年4月、ビクターからキングレコードにレーベルを移籍し、「朱里エイコ」の芸名で「恋の落とし穴」で歌手デビュー。レナウンのCMソングとしてこの年一世を風靡した「イエ・イエ」や、アニメの主題歌などで活躍するが、レコードのセールスは振るわず、再び68年に渡米。ラスベガスでのソロ公演を成功させるなど華々しい活躍ぶりを見せた後、71年に帰国し、ワーナー・パイオニアへと再度レーベルを移籍。72年1月に発表された移籍後2枚目の同曲が30万枚以上の売上を記録し、自身のシングル盤では初のヒット曲に。本場ラスベガスで身につけた日本人離れしたパワフルなヴォーカルとパフォーマンスで実力派シンガーとして人気を博す。脚線美でも知られ、当時脚に1億円の保険をかけたことでも話題となった。
 ※75年、自身が作詞を担当したシングル「Ah So!」を最後に再びアメリカに渡り、半年間の長期に渡るワンマンショーツアーを全米で敢行するなど、その後もアメリカと日本を行き来しながら実力に更に磨きをかけるが、79年にワーナーとの契約が切れて以降は、80年代に病気を患い表舞台から遠ざかる状態が続く。晩年には再びテレビ出演を徐々に再開していたが、往年のスタイルの良さは投薬治療の影響により失われ、張りのある歌声も衰えを隠しきれない状態になるなど、往年を知る視聴者の多くに衝撃を与えた。それでも尚、完全復帰に向けての意欲を見せ、再始動に向けての準備を始めていた最中の2004年、56歳の若さで死去した。 
 ※まだ海外旅行が夢のまた夢ともいわれていた60年代よりアメリカに単身で渡り、幾多の苦労と努力によってエンタテイメントの本場で一定の実績を残し、ザ・ピーナッツらと共に国内アーティストの海外進出の機運を高めた歌手として、近年では大西ユカリを初めとして新進気鋭のアーティストたちによって、彼女の功績が再評価されつつある。
・あの鐘を鳴らすのはあなた 和田アキ子
 詞:阿久 悠 曲:森田公一 R:1972/03/25 HC:57位
 ◆第14回(1972年)日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞曲
 ◆第42回・第45回・第50回・第55回・第58回(1991年・1994年・1999年・2004年・2007年)NHK紅白歌合戦出場曲(15回<紅組トリ>・18回・23回<紅組トリ>・28回・31回)
 ※現在では和田アキ子の歌手としての代表作として広く知られているが、意外にも発売当初はオリコン最高位は53位、売上枚数は4万枚程度とあまりヒットしなかった。
 ※紅白では通算5回披露しているが、発売された1972年の紅白歌合戦ではこの曲ではなく、この年の紅白放送当時最新の彼女のオリジナルシングル曲であった「孤独」(72年9月発売)を披露している。これは同曲の歌詞がベトナム戦争反対のメッセージを含んだものであり、当時の紅白では番組の趣旨を考慮して、政治的メッセージのある曲目を避ける方向で出場歌手の選曲が行われていたことによるものであると解されている。

<1972年3月20日(第177回)>
許されない愛 沢田研二
 詞:山上路夫 曲:加瀬邦彦 R:1972/03/10 HC:4位
 ◆年間チャート(72年)27位(35.2万枚)
 ◆第14回(1972年)日本レコード大賞歌唱賞受賞曲
 ◆第5回(1972年)日本有線大賞優秀賞受賞曲
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(初)
・花のある坂道 大石悟郎(吾朗)
 詞:阿久 悠 曲:都倉俊一 R:1972/01/20
・土に還るまで 由紀さおり
 詞:山川啓介 曲:いずみたく R:1972/03/-

<1972年3月27日(第178回)>
・柔の道 水前寺清子 R:1972/02/-
 ※日本テレビ系ドラマ「黒帯風雲録 柔」主題歌
・フレンズ 平山三紀(みき)
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/03/10 HC:36位
・黄色いシャツ 浜村美智子
 詞:孫 夕友/黒沢東男<訳> 曲:孫 夕友 R:1972/02/05
 ※「バナナ・ボート」の日本語カバー盤のヒットで知られる「カリプソの女王」浜村美智子の歌手復帰作。元々は韓国の歌謡曲であり、韓国人歌手・李成愛(イ・ソンエ)もこの曲を持ち歌としていることで知られている(因みに李成愛盤の日本語訳詞は竜崎孝路が担当)。
・朝の恋人 本郷直樹
 詞:阿久 悠 曲:中村泰士 R:1972/03/25
・はぐれ鳥 千葉紘子
 詞:安井かずみ 曲:宮川 泰 R:1972/-/-<詳細求む>

<1972年4月3日(第179回)>
・ふたりは若かった 尾崎紀世彦
 詞:阿久 悠 曲:筒美京平 R:1972/03/25 HC:11位
 ◆第1回(1972年)東京音楽祭・世界大会 銀賞受賞曲
恋の追跡(ラブ・チェイス) 欧陽菲菲
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/04/05 HC:5位
 ◆年間チャート(72年)36位(28.9万枚)
 ◆第5回(1972年)日本有線大賞優秀賞受賞曲
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(初) 
・夜が明けて 坂本スミ子
 詞:なかにし礼 曲:筒美京平 R:1971/10/21 HC:14位

<1972年4月10日(第180回)>
・お別れしましょう 朝丘雪路
 詞:なかにし礼 曲:筒美京平 R:1972/03/21 HC:21位
・愛すれど切なく 布施 明
 詞:山上路夫 曲:平尾昌晃 R:1972/05/10 HC:25位

<1972年4月17日(第181回)>
・悲しみの日曜日 野口五郎
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/04/01 HC:19位
・トマトの家 ヒデとロザンナ
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/04/10 HC:48位
この愛に生きて 内山田洋とクールファイブ 
 詞:阿久 悠 曲:彩木雅夫 R:1972/03/15 HC:7位
 ◆年間チャート(72年)33位(31.1万枚)
 ◆第5回(1972年)全日本有線放送大賞(夜のレコード大賞)受賞曲(※尚、1971~1976年までは「大賞」という呼称ではなく「金賞」の呼称が使用されている)
・嵐の夜 にしきのあきら
 詞・曲:浜口庫之助 R:1972/04/21 HC:19位
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(3回)

<1972年4月24日(第182回)>
・情熱の季節 安倍律子(里葎子)
 詞:阿久 悠 曲:(不明)<情報求む> R:1972/04/10
・別れの讃美歌 奥村チヨ
 詞:千家和也 曲:浜 圭介 R:1972/04/25 HC:44位
・回転木馬 牧葉ユミ
 詞:片桐和子 曲:The Ventures(Bob Bogle/Don Wilson) R:1972/06/01 HC:48位
 ※山口百恵が「スター誕生!」(日本テレビ系)の予選で歌唱した作品として知られている。 
 ※<牧葉ユミ>71年7月、元フォーク・クルセターズの北山修・加等和彦の作詞・作曲コンビによるEP「冒険」でデビュー。ボーイッシュな風貌とはつらつした歌声で強いインパクトを残し、その後、「見知らぬ世界」「回転木馬」「悪魔か天使か」などのシングルを発表。その後演歌路線に転向するが振るわず、76年頃に歌手業を引退した。自身のサイン会にたまたまファンの一人として来ていた相本久美子をその場でスカウトし、芸能界デビューの道筋を作った人物としても知られている。
瀬戸の花嫁 小柳ルミ子
 詞:山上路夫 曲:平尾昌晃 R:1972/04/10 
 HC:1位(1972/05/15-06/05)
 ◆年間チャート(72年)2位(69.4万枚)
 ◆第14回(1972年)日本レコード大賞歌唱賞受賞曲
 ◆第3回(1972年)日本歌謡大賞受賞曲
 ◆第5回(1972年)日本有線大賞優秀賞受賞曲
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(2回)

【司会】前田武彦・芳村真理

(参考)この頃の主な出来事
・03/- モスバーガー1号店、東京・板橋区に開店。
・03/13 スモン調査研究協議会、スモン病の発症原因につきキノホルム剤の服用によるものとの結論を出す。
・03/15 新大阪~岡山間を1時間で結ぶ山陽新幹線が開業。
・03/20 富士山が春嵐の影響で猛吹雪と豪雨に見舞われ、遭難事故が多発。死者20人、行方不明5人。21日には同じく春嵐の影響で日本海で海難事故が多発。
・03/21 高松宮古墳で極彩色の壁画が発見される。日本の考古学史上稀に見る大発見として話題騒然。文化庁は早急に壁画の研究・保存作業に着手(1974年4月に同壁画は国宝の指定を受ける)。
・04/01 札幌・川崎・福岡の3市が政令指定都市に。
・04/04 沖縄密約電報を不法に持ち出したとして、警視庁、外務審議官付女性事務官と西山太吉・毎日新聞記者を国家公務員法違反の被疑で逮捕。後に西山記者が女性事務官との不倫関係に乗じて機密情報を入手していたことが発覚するも、西山側は「報道の自由」を楯に機密情報入手の正当性を主張。報道の自由の限界につき論議が起きる(西山事件)。
・04/16 ノーベル文学賞受賞作家、川端康成が神奈川・逗子市でガス自殺。72歳。
・04/23 大手私鉄の各労働組合が24時間ストを実施(交通ゼネスト)。
・04/- 1月の読売新聞に続き、朝日新聞・共同通信社・NHKが北朝鮮の金日成主席と会見。
 

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