Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2010年6月号  世界難民デー:テーマは正しいが仕事はお粗末

2010年11月17日 | コミュニティーとカルチャー


2010年世界難民デーの記念テーマ、「彼らは私の故郷を奪ったが、私の未来まで奪うことはできない」に、難民は強い違和感を覚え、カクマ難民キャンプでのUNHCRの仕事に異議を申し立てたくなる。

難民デーの式典は、2010年6月19日(土)に、ナプタ・グラウンドで行われた。 さまざまな民族ダンスや詩が披露され、支援団体職員や難民代表がスピーチをした。難民たちは、状況を脅かす危機的な生活を送りながらも、ケニア政府と地元当局が提供してくれる支援を評価している。しかし、この忘れ去られた脆弱な人間に対するUNHCRの責務には、疑問を抱いている。

難民のリーダーやエリートたちは、このキャンプで誰が誰に利益をもたらすかについて、常日頃から不満を表明してきた。年一度の惰性的な記念式典で使われる重くて甘い言葉にも、疑問を感じてしまう。ウガンダ出身の難民女性が言うように、「私たちはもう18年もキャンプにいるんです。その間、変化なし、計画なし、希望なし、故郷なしなのに、この未来ってのは、いったい何なのですか?」という問いである。


これは、キャンプの難民が激増する中で出てきた言葉である。半年前には42,000人だった難民が、式典のあった時期には81,000人に膨れ上がっている。ケニア政府職員は世界難民の日に、カクマキャンプで次のようなピーチをした。「独立の前からケニアには難民がいた。我々は彼らを迎え入れ、安全を提供している。難民の保護を強化するため、警察支所を新たに設けたので、平和な環境が作られている」

未来は難民にとって、さまざまな意味を持っている。教育の質は悪く、食糧は人々が死なない程度にしか支給されず、精神発達や効果的な仕事については考慮されない。ケニア国民と同じ仕事をし、同じ地位にいても、難民に支払われる賃金は 「報奨金」という名前で呼ばれ、40USDから90USD程度にしかならない。

子どもの小学校の学費、5000ケニアシリングが払えない事態を想像してほしい。一日2600カロリーの食事もできないことを想像してほしい。カクマ難民キャンプで18年以上も過ごすことや、病院に2日も3日も並んでようやく最低限の薬しか得られないことを想像してほしい。このような難民が今後に期待する未来とは、いったい何なのか。カクマの難民の生活の現状は、支援団体の職員の未来像だ。


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