Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2020年11月号 ジェンダーがらみの暴力とコロナ

2021年01月23日 | コミュニティーとカルチャー
【写真】カクマ難民キャンプのキャンプ4 にある女性と女児のためのセンター 撮影: KANEREジェンダーがらみの暴力取材班

KANEREスタッフライター リザラ・アルフォンゼ 

過去7か月間、新型コロナウィルスの世界的大流行により、性暴力やジェンダーがらみの暴力が増加した。ウィルスの蔓延を抑える対策が講じられ、学校の運営やスポーツイベント、ビジネス、そして大半の社会活動が影響を受けた。この状況下で多くの人がほぼ毎日家にいることを強いられ、抑制されていた人間関係が否応なしに顔を出すようになった。




性別やジェンダーに起因する暴力は力づくで相手を屈服させるもので、女性や少女の尊厳と幸福を損ない、ひいては身体的傷害やトラウマ、望まない妊娠、性感染症を引き起こす。

コロナウィルスの世界的大流行により、女性と少女がジェンダーがらみの暴力を受けるリスクはこれまでになく高まっている。

ロックダウンや移動制限、コミュニティとの交流制限などの政策は、虐待を受けた女性を虐待者とともに家に閉じ込めることになる。そればかりか、コロナウィルスは彼女たちの社会経済的状況にも影響を及ぼし、家族を養うために売春や早婚をせざるを得ない女性もいる。

GBV(Gender-based violence: ジェンダーがらみの暴力)のリスクの高まりについては、UNHCR が発表したプレスリリースに詳しい情報が掲載されている。https://www.unhcr.org/news/press/2020/4/5e998aca4/displaced-stateless-women-girls-heightened-risk-gender-based-violence-coronavirus.html

家庭内では、家族を保護・養育するための女性の負担が増大している。現在多くの家庭では、女性に頼りながら衛生状態を保ち、ウィルスから身を護っている。女性ばかりに責任が偏ることで、女性が心身の健康を損なうことは悩ましい問題である。

匿名希望ながらインタビューに答えてくれた人たちの言葉を以下に示す。

「まるで箱の中にいるような気分です。まわりの人や物がすべていつも同じで、逃げ出すことができず、毎日が昨日や一昨日の出来事の繰り返しです」と言うのは、カクマ 1ゾーン 1ブロック 12 に住む女性、カレン。「暇でしようがないから悪いことにも手を出してしまう。不当な暴力の原因は、とにかくここにあるんですよ」

「叩かれることは最初からありましたが、これほど頻繁ではありませんでした。夫がいつも家にいるようになった今、ウィルスよりも夫が恐いです」と、ある女性が言い放った。

「以前は家族を養うために小さな売店を経営していましたが、コロナがこうなってからは、必要なものも調達できなくなり、夫も仕事が止まったまま。夫の不満がたまっています。家の中の雰囲気が悪くなり、些細なことで夫に叩かれるたびに、私の何が悪いのだろうと思います」

時代は変わり、男女の平等が強く叫ばれているが、戦いの終わりはまだ遠い。新型コロナウィルス の世界的大流行で、こうした事実がはからずも明らかになった。


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