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カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
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2021年9月号 カクマプレミアリーグでファン同士の暴力事件発生 執筆:バルウ・ウォル・マクアク(KANEREボランティアライター)

2021年10月29日 | コミュニティーとカルチャー
【写真】試合当日。オールスターズ対レジェンドFCの試合。
撮影:KANERE カクマ1ゾーン3のサッカー場にて 2021年8月 

先週末にオカピFC (Okapi Football Club) のサポーターが負傷する事件が起き、カクマプレミアリーグ理事会に対してナースFC (Naath Football Club)の出場停止を強く求める声が上がっている。事件が起きたのは、ナースFCが今シーズン初の黒星となった試合中だった。

7月31日の土曜日にオカピFCファンが暴力を受けた件で、ナースFCが加害者の身元を明らかにしない場合、2021年及び2022年のシーズン中、出場停止処分を受ける可能性がある。この事件で逮捕者が出るかもしれない。

ナースFCに向けて提出された書状で、KPL(カクマプレミアリーグ)の事務局はナースFCを非難し、オカピFCのサポーターを攻撃したナースFCファンの身元を発表しない限り、シーズン中の出場権を無効にすると発表した。

KANEREの取材に対し、ナースFCのセンター、キングルー氏は、無登録のファンによる暴力でチームがリーグ出場停止処分になるというKPL理事会のルールはおかしいと疑問を投げかけた。

「ファンによる非行で出場停止や3ポイント、3試合剥奪をするという規則はFIFAにはありません。(今回の罰則は)とても困ります。ナースファンによってオカピファンが負傷したと報告し、医療費を負担すればいいだけの話です。これが解決策ですよ」と元カクマユナイテッド選手は言う。

KPL事務局によって押印、署名された書状によると、ナースFCは8月9日までに加害者の身元を明らかにしなければならない。その間、自動的に3試合剥奪される。また書状はナースFC理事会に対して、ファンのリーグ観戦参加を8月9日まで停止するよう指示している。

これに対しキングルー氏は、「こんなことはできないと思いますよ。私たちが呼んでいるわけではなく、ファンが自ら観戦に来ているのですから。KPLが私たちを警備し、試合を観戦しているファンを取り締まらない限り、ファンは我々が試合を行うことを聞きつけてやってくると思います。ロドワー(ケニア内の町)に移動して試合をするという別手段もありますが」と言う。

KPLを3回連続優勝中のナースFCは現在、1試合のみ黒星でリーグ内の首位を維持しています。KANEREは、KPL事務局が発行した書状を受けとったあとのナースFCのキャンプの様子を知るため、キングルー氏の話を聞いた。

「私も書状を読みましたが、脅しのようだと感じ驚きました。こちらとしてはKPL事務局と話し合いの場を持ちたいという手紙を出したところです」とルー氏は述べた。

2021年8月1日の日曜日、オカピファンへの暴力事件を受け、フィジFC(Fizi FC)は安全が確保されないとしてオールスターズ(All-Stars)との対戦を放棄した。これにより、オールスターズには3点が与えられした。

8月6日金曜の夜、KPL事務局はWhatsAppを通して、別途の通知が送られるまでリーグを停止すると発表した。このリーグ停止について、KANEREは4チームすべてがリーグから撤退したためと確認している。

〈暴力が過激化しているためカクマプレミアリーグは中断中〉
8月2日、大湖地方からの4つのKPLサッカーチームはKPLサッカー協会宛にリーグからの撤退を求める書状を共同提出した。書状にはそれぞれの事務局長が押印、署名している。共同書状を出したのは、ラメーシアFC、オカピFC、フィジFC、ヴィルンガFCの4チームである。

KANEREが書状を見たところ、撤退理由としてファンと選手の安全が挙げられていた。これらの4クラブチームによると、彼らは南スーダンとスーダンのクラブと対戦する際は常に警戒しているのだという。

書状で4クラブチームは、KPLが彼らの挙げた条件に対処しない限りKPLからの返答には応じないとしている。

リーグ停止後、KLABU幹事のラメック・アイザック氏は、カクマプレミアリーグが試合中の暴力をなくすには、リーグが完全に開放的にならなければと述べている。現在、カクマプレミアリーグに出場している選手は同じ出身国の選手のみで構成されているチームに仕えています。

「一つの民族のみによって作られたクラブではなく、異なる民族で構成されたチームが必要です。基準を決めなければなりません。南スーダン人、コンゴ人、エチオピア人、スーダン人、それに地元民も、国ごとに分かれて対戦してはならないのです。国ごとに分かれることで、ファン同士の分断も起きる可能性があります」とKLABU幹事のアイザック氏は述べている。

さらに、「出身国に関係なく選手たちを統合させ、共通語であるスワヒリ語を用いればチームも団結し、ファンも自然に団結するでしょう」とも言う。

KLABUはカロベイエイの難民にジャージ、靴下、ブーツ、サッカーボールといったスポーツ用具を供給している団体の一つで、地域の平和と調和の拡大を目指している。またKLABUはLWFとUNHCRによって運営されているカクマプレミアリーグもサポートしている。

暴力沙汰のために寄付者がリーグから撤退していると各クラブの選手たちが不安を訴えているのを受け、LWFは8月12日のミーティングでクラブに対し、選手の登録を調整し完全に開放的なチームをつくるよう求めた。リーグは現在、1チームは30人の選手とし、そのうち20%は異なる民族の出身者にするようにと厳しく要求している。

8月10日、カクマプレミアリーグを統括しているLWFはクラブのコーチまたは代表者を8月12日の決議会議に招待するという書状を発表した。書状はOICプロテクション部門を通し、ワケサ・ジョセフに氏が書いたものだ。

決議会議は午前9時に予定され、リーグに影響している問題を最優先協議事項としている。これは、8月3日のナースFCの試合停止で大湖地方のクラブによるリーグ撤退があった後、初のLWFによる正式連絡だ。

8月12日木曜にLWFカフェテリアにおいてLWFと共同パートナーによって無事開催された決議会議を受け、KPLのリーグ中断が再考され、カクマプレミアリーグは9月8日以降、再開している。

会議では、選手たちがアウェイでの試合に行く際の現行の交通手段についても、課題として取り上げられた。


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