Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2013年11月号 卒業証書授与式

2014年05月28日 | 教育
カクマのアルペ・ラーニングセンターで学位授与の公式セレモニーが催され、おいしい料理と余興で卒業生を祝った。

イエズス会コモンズ:恵まれない人のための高等教育(JC-HEM)は、イエズス会難民サービス(JRS)によるオンライン学習プログラムで、難民に高等教育を提供している。3年間の一般教養課程を経て学位を与えるプログラムで、人文科学、リーダーシップ、ビジネスとコミュニケーションの分野に特化している。JRSカクマのJC-HEMのコーディネーターであるエリザベス・ロックさんがKANEREに伝えた話では、「2009年にニーズ調査を実施し2010年に一般教養課程第1期生がプログラム履修を開始、このうち27人が卒業した」ということだ。

9月23日、2010年組の学位授与式の公式セレモニーが執り行われ、難民や地元コニュニティーの招待客、JC-HEMの卒業生とその家族や友人、学位を授与するアメリカのレジス大学とゴンザガ大学の幹部を含むJC-HEMコミュニティーの代表者たちが出席し、華やかな式となった。
高等教育を望む難民にとって、JC-HEMは高等教育を受ける唯一の機会で、大変有難いものだ。2010年組の代表が次のようなスピーチを読み上げた。「私はJC-HEMプログラムの先駆者として自信を持って言える。先進的な教育システムの中でさまざまな科目を勉強し、我々は知識の根幹となるものを見つけ出すことができた」



オンラインコースを履修した学生の成績と、同じコースを従来の方法で履修した学生の成績を研究者が分析した。その結果、テーマ別アプローチが社会との交流や価値観の共有を増進したということがわかった。

オンラインコースの学生たちは、時間の管理、本の不足、学習環境の問題、ネットワークにつながらなくなる等の困難に直面し、課題の提出が遅れることもあった。「3年間オンラインで学習するのは容易ではなかった。しかし、それを乗り越える学生たちの努力と決意によって、最後までやり遂げることができた」と卒業生のひとりであるジェームス・アランが語った。

〈JC-HEMプログラムの影響〉
カクマは隔絶した地域に位置する古い難民キャンプで、中学校を卒業した若者が高等教育を受ける機会がなかった。高等教育を受けたいという希望を高く持ち続けていても、資金調達の困難から、教育を受けることが出来ずにいた。

JC-HEMプログラムの開始以前、南アフリカ大学(UNISA)はJRSを通して、カクマの難民に学位取得の高等教育を通信教育で提供していた。学生側の費用負担はなく、郵便、試験、ITアクセス、図書館利用等はJRSを通して支給された。

国外退去せざるを得なかった大学生や大学を中途退学した多くの難民が、この限られたチャンスの恩恵を受けた。しかし、JRSがオンラインシステムを開始してからは、増加する一般教養課程履修学生の要求に応えることが出来なくなり、UNISAはその通信教育の構成を変更した。

オンラインプログラムは、学生のためにライティングとコミュニケーションスキルの学習を増やしている。これにより言語表現が変わり、社会化が進んだだけでなく、雇用市場で同等の資格を持つ他者との競争力もつけることになった。

JC-HEMには、2つのグループで提供される15のコースがある。1つ目のグループは一般教養教育の10の異なる科目で構成され、2つ目のグループには社会福祉事業に特化した5つの専門科目がある。「オンラインで提供されるたくさんの科目があり、3年後には履修課程の修了が現実になる。多くの困難を乗り越えて、私はついにやり遂げた」とアフメド・ビワイェは言った。


【写真】 卒業生たち

JC-HEMの関係者によると、一般教養課程のオンラインコースはカクマとマラウイのドザレカのキャンプで実施されている。クラスは同時にスタートし、同じシステムで学習が進められる。このプログラムは今後も両キャンプで続けられる予定だ。「パイロットプロジェクトは2014年に完了するが、今後の前進に向け、最善の方法を見つけるべく計画を進めている」とロックが言い添えた。

次の一般教養課程学位取得コースは、申込書が受領される2014年5月に入学となる。クラスは2014年9月に開始予定だ。


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