たぶん2015年のブログです
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女性らしく、素敵で、読みごたえのある文章をたくさん書かれている梨木香歩さん、その梨木さんの小説『雪と珊瑚と』(2015・角川文庫)を読みました。
久しぶりにいい小説を読んで、またまた泣いてしまいました。
とてもいい物語です。
シングルマザーの珊瑚さんとその赤ちゃんである雪ちゃんのお話。
きれいすぎず、がんばりすぎず、力不足でたいへんなところもあって、等身大の若い女性の迷いと不安がさらりと描かれます。
しかし、中身は深いです。
周りの人間を含めて、弱さやずるさや何もかもが描かれます。
救いはやはり赤ちゃん(とはいえ、赤ちゃんや小さな子どもさんの子育てはやっぱりたいへんですけどね)。
赤ちゃんや子どもの存在というのは母親だけでなく、やっぱりおとな全体にとって大切なものなのでしょう。
そして、子育てというのは、きれいごとではけっしてすみませんが、しかし、大きな営みなのですね。
そのあたりの大変さや苦しさ、迷いなども丁寧に描かれていると思います。
悪戦苦闘の、きれいごとでない、等身大のシングルマザーと赤ちゃんと周囲の人々の物語、いちど読んでみてください。
きっと、生きていくこともいいものだな、と思うのではないかなと思います。
たまに本を読んで涙を流すことも、こころのおそうじにいいことのようです。 (2015?記)
こちらの本ももちろん読みましたが
「西の魔女が死んだ」 「家守綺譚」 「冬虫夏草」がお気に入りです(^o^)
気が合いますね。
梨木さんの小説を読むと、汚れたこころが少しだけきれいになるような感じがします。