2024年2月のブログです
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小澤征爾さんの『おわらない音楽-私の履歴書』(2014・日本経済新聞出版社)を再読する。
2014年1月に「日本経済新聞」に連載されたエッセーが本になったもので、とても読みやすい。
小澤さんの本を読んでいると、この本だけでなく、『僕の音楽武者修行』(1980・新潮文庫)や村上春樹さんとの『小澤征爾さんと、音楽の話をする』(2011・新潮社)などの本を読んでも、小澤さんの友達や援助する人々、そして、指導してくれる人々の豊かさにうらやましくなる。
小澤さんの人柄なのだと思うが、すごいと思う。
小澤さんの才能もすごいと思うが、人々に愛される力が本当にすごいと思う。
これが小澤さんの宝物だろうと思う。
若い時の小澤さんの話を読んでいると、結構、失敗が多い。
世界のオザワ、も、決して順風満帆ではなかったわけだ。
しかし、それにめげずに進むところが小気味よい。
フランスの指揮者コンクールで優勝する前も、フランス政府給費留学生の試験に落ちて、自費で留学しての挑戦である。
その後、世界中のあちこちの交響楽団で経験を積むが、最初はブーイングの嵐で、その中から実力を認めてもらっていくことが多い。
そこには、小澤さんを推薦してくれる指導者や友人たちの存在などが大きいと思うし、一方、それに応える小澤さんの頑張りもある。
小澤さんを見ていると、人と人とのつながりの大切さを教えられる。
そして、それが年を取っても自然体なところが魅力だと思う。
決して真似のできないことだが、少しでも見習っていきたいと思う。 (2024.2 記)