たぶん2015年ころのブログです
*
精神科医で精神分析家の松木邦裕さんの『精神病というこころ-どのようにして起こりいかに対応するか』(2000・新曜社)を再読しました。
ずいぶん久しぶりの再読ということで(松木さん、ごめんなさい)、ところどころにアンダーラインや付箋があるのですが、例によって(?)、ほとんど覚えておらず、おかげさまでとても新鮮に読みました。
このところ、精神科デイケアで勉強をさせていただきながら、精神病患者さんの不安や迫害妄想、処罰妄想などと罪悪感、後ろめたさの投影といったことなどを少し考えているのですが、ちょうど参考になりそうな記述があったりして、とても勉強になりました。
特に、精神病の患者さんが破滅不安から逃れるために不安を周りに投影し、迫害妄想を形成するという説明は、とてもよくわかるような気がしました。
また、この本では、病理の理解だけでなく、それらへの対応もとても具体的で、裏づけがあって、参考になります。
いずれも、精神分析のクライン派の妄想・分裂ポジションの考え方や精神分析家のビオンさんのもの想いの考え方などが基本になっているようですが、とても難しいのでさらに勉強の必要性を感じました。
今後ももう少し精神科デイケアでお世話になりながら、勉強と経験を積み重ねていきたいと思います。 (2015?記)
*
2019年夏の追記です
ボランティアでおじゃまをしている精神科デイケアでの最近の議論は、妄想のあるメンバーさんにいかに対応するかという点。
精神科医の中井久夫さんなどの本を読むと、否定も肯定もせず、不思議がることがいい、とあるのですが、興奮気味にやや早口でしゃべるメンバーさんにうまく対応するのはなかなかむずかしいことです。
しかし、妄想を無理になくすことの危なさも述べられていますので、ゆっくりとつきあっていければと思います。
さらに勉強が必要です。 (2019.7 記)
臨床心理士や公認心理師でも臨床経験は必要です。
熱意だけではできない仕事で、経験と研修は必須だと思います。