たぶん2012年ころのブログです
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ある研究会で,一人のカウンセラーのかたが,自分はクライエントに携帯の番号を教えて,いつでも連絡が取れるようにしています,と話していました。
すごく熱心だな,と思いました。
一方で,でも少し違うのではないかな,とも思いました。
いつもクライエントと連絡が取れること,が,いつもクライエントのそばにいること,と同じかというと必ずしもそうとはいえない気もします。
ましてや,いつもクライエントにより添うこと,とはまた違うような気がします。
さらに,そのことがクライエントの自立に繋がるか,ということになると,さらに難しい問題となります。
カウンセリングの目標がクライエントの精神的な自立や成熟だとすると,最終的にはクライエントがカウンセラーに頼らなくてもいいようになることが課題となります。
それにはクライエントがカウンセラーを「内在化」して,自分のこころの中のカウンセラーと対話ができるようになることが大切になります。
精神分析では,毎日の面接と週末のお休みのリズムが大事だと言われています。
週末,治療者の「いない」時にいかに患者が自分の「内的な」治療者と対話ができるか,がポイントになります。
一般に,心理療法において,治療者やカウンセラーのお休みは,彼らの健康を守ると同時に,患者やクライエントの自立の契機として重要な意味を有していると思います。
考えがまだまだ深まっていませんが,これらのことはとても大切なテーマではないかと思います。
簡単には正解は出ないと思いますが,今後,さらに考察を深めていきたいなと思います。 (2012?記)
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2020年12月の追記です
今も考え続けている大きくて、奥深い問題です。 (2020. 12 記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。
1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com
大阪の事件があり、今朝、神田沙也加さんの自殺も知りました。
私の今朝挙げた河合隼雄さんの本の中に「死にたくなった時はいつでも電話を」というと、
夜中でも早朝でも電話がかかってくるとありました。
>自分のこころの中のカウンセラーと対話ができるようになることが大切になります。
そうですね。最終的にそういうことなのですね。
私が現在関わってる方は、そういうことが出来るようになってきている気がします。
今どき、ちょっといないような真面目な方です。
電話をではなく、いつでもメールを…とは言ってしまいましたが(;^_^A
いい教えをありがとうございます。
昨日のお孫ちゃんのお話し…ほっこり致しました。
本当にいろいろな方がいらっしゃいますので、その方にきちんとより添ったていねいなカウンセリングが大切になりますし、きちんとした目標も必要になる作業だと思います。
>自分のこころの中のカウンセラーと対話ができるようになることが大切になります
やはり、3年前と同じように感じました。
で、3年前の方は、もう大丈夫です。
今後の人生に幸あれと思います。
周りの方々の優しい思いやりのおかげですね。