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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

サリヴァン(中井久夫ほか訳)『精神医学的面接』1986・みすず書房-妄想・仮説・要約

2025年02月23日 | 精神科臨床に学ぶ

 2019年のブログです

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 アメリカの精神科医サリヴァンさんの『精神医学的面接』(中井久夫ほか訳・1986・みすず書房)を再読しました。

 すごく久しぶりで、たぶんようやく2回目くらいの再読です(サリヴァンさん、ごめんなさい)。

 結構厚い本で、真面目な勉強が大の苦手なじーじとしては、なんとなく再読が遅くなってしまいました。

 面接について、たまにはじっくりと勉強をしてみようと思って再読をしたのですが、まったくの偶然ですが、タイムリーなことに、精神科デイケアで妄想について考える必要があって、結果的にとても勉強になりました(こういうことがたまにあるので、読書はやめられません)。

 例によって、今回、印象に残ったことを一つ、二つ。

 一つめは、複数の仮説について。

 以前にもどこかで出てきましたが、仮説を多く持つことの大切さです。

 おそらく視野が広く、深くなるのだと思います。

 反対に、一つの仮説では信仰になってしまう、とサリヴァンさんは警告します。

 二つめは、面接の要約の大切さ。

 これは下坂幸三さんも強調されていますが、面接の内容を再確認することで、クライエントさんの発言を客観化されることになり、さらに面接が深めるきっかけになるようです。

 三つめは、妄想への対応。

 サリヴァンさんは、妄想に暗黙の承認も否定もしないことが大切、と述べます。

 中井久夫さんは、加えて、ちょっと不思議がるのがいい、といわれます。

 いずれもなかなか難しいことですが、大切な実践であり、今後、経験を重ねていきたいと思います。        (2019.7 記)

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 2023年春の追記です

 一つの仮説では信仰になってしまう、というサリヴァンさんの言葉はいいですね。

 じーじが家裁調査官補だった時、指導官だった山野保さんも、仮説は3つ以上考えなさい、とおっしゃっていました。      (2023.3 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com   


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